第39話 飲食店 R ①【勤務初日】

「当然の要求だ、のもう」


「時給1000wan」


「まて、時給は派遣先によってかわる」


「では満額を希望する」


「……のもう」


「お経を手に入れたあかつきには成功報酬として3ヶ月分支給する」


「……のもう」


悟空「以上です」


三蔵「……のもう、ビール!」


モグ「飲もうぜ、ビール!」


三蔵「雉神のお祝いだ!豚足食べたい」


玉龍「私が行ってきます」


三蔵「お願いします」


悟空「お金なんか要求してすいません」


三蔵「いいんです。私の処遇もハッキリさせたいと思いましたよ。天界こそブラックです」


悟空「お釈迦様に聞こえますよ」


三蔵「もういいんです。この旅で辞めますから三蔵法師を」


悟空「あ~あ、最後の旅か!」


三蔵「奴国では飛ぶことが出来ましたね?」


モグ「うん。しっぽが3本になって飛んだ」


三蔵「ひょつとすると他にも超能力があるんじゃないですかね?」


モグ「脇が電子レンジになったらいいな」


三蔵「なぜ」


モグ「いつでも冷凍ハンバーガーをチン出来る」


三蔵「なるほどね……」


三蔵「雉神は普段なにやってるんですか?」


雉神「雉山を統括し、王をしております」


三蔵「それは凄い。このなかで一番偉いですよ」


雉神「先程から悟空さんが戦っているのが見えます。全く歯がたちません」


三蔵「……孫悟空………勝てない?!ま~覚えておきます」


 みんな明日からの仕事に対する不安、期待

続けていけるかの緊張を酒に浮かべてコンコンと飲み続けた。




 次の日、

 三蔵から1ヶ月で加重労働の実態を掴んでくれとの指示だった。



○飲食店 R データ

○従業者 35名

○来客数800人/日

○売上10000000/月wan 

○6世紀チェーン5店舗

○時給950wan/h

 

懸案事項

⚫36協定違反

⚫加重労働による鬱自殺1名・労災係争中

⚫労災かくし


 店舗回りの植栽が伸び放題のただずまい。立地は大きな通りにあり良い。また、近くに市民会館があり大きな催しものがある時は来客増が期待できる。いわゆるファミレスだ。


「こんにちは ガンダーラ株主会社です」 


「こんにちは、待ってましたよ」

(そう言ってにっこりした?)


「3名でしたね。助かります。」


「店長、全員仙人ですので神通力をもっています。使用は本人にまかせます」


「わかりました。もうよろしいですよ」


「そうですか?では失礼します。みんながんばってね~」


「お猿さんと雉はホール、犬はキッチンで研修受けてください」


「はい、はい、うん」


「雉神、まいりました、接客苦手というかトラウマになっているんですよ」


「大丈夫ですよ。私がフォローします」


「生意気な客がいるじゃないですか?」


「いますね」


「あんなやからに感じよくできない」


「悟空さん、違いますよ。それをするからお金がいただけるんですよ」


「────────────」


「おいらも猿山の王をやってたけどプライドばかりでかくなってしまった。雉神の言うとおりです」


「そのかわり店の裏でボコボコにしてやりましょう」


「アハハ、いいですね!」


 トレーナーが来て、(ご案内)を1回だけやってくれた。


 やってみるか、悟空が先に動いた。


「いらしゃいませ こんにちは 何名様ですか? あちらのお席にどうど…」


「悟空さん、いいですよ。出来てますよ。この調子であとは『笑顔』。この調子でオーダーリングまでマスターしてしまいましょう」


「そうですね。どんどんいきましょう!」


 チラッとキッチンをみるとモグが6本腕で懸命に食器を洗っていた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る