第37話 石版のラブレター

 あっという間の3日間であった。

 ロナウドのことは恋しかったけれど遠い空国で過ごしたことでゆっくり休めた気がする。


 モグは「何も聞いてない。こんなことならハンバーガーを冷凍してたくさん持ってきたのに」とぷんぷんしている。


「モグ、ごめんなさい。きちんと話してなかったね」


「いや、旅にでるのはいやではないの。ただハンバーガーなしでやっていけるか自信がないっていってるの!」


「あっとモグ、神通力を持った方もいるみたいだからハンバーガー風味にできるかも?」


「まじで?無理ならお釈迦様にお願いしてみようっと」


「食堂の友達みたいにいうな!」





「卑弥呼です。アリア、時間です。今、遠い空国ですね。ひとりづつ召喚していきます。


⚫三蔵法師(経蔵・律蔵・論蔵に精通した高僧)

⚫玉龍(白馬)


⚫モグ(話しができる犬。腕を6本まで増やすことが出来る)

⚫孫悟空(猿。旧アリア、加速装置を操る)


⚫あと1名道中にて合流(遅れるとの連絡ありました。大事なこと)


以上です。このメンバーでやってもらいます。


アリア「はい」


モグ「は~い」

 

「腕6本って、千手観音みたいなものですか?」


「そうだけど(様)は付けなさい」


「は~い」


「あ、はい、はい」


「はい、悟空」


「加速装置ってなんですか?」


「光より早く走れる能力です」


「光!如意棒と筋斗雲は?」


「ありません」


「え~練習したのに……」


「モグが食べるものは全部ハンバーガー味にします。よろしいですね」


「ウアォン──────────」


 このシーンで三蔵法師が笑われた。


「アハハ、楽しい旅になりそうですね」


「三蔵、悟空にキンコジは付けないでよいのか?」


「大丈夫です。必要と判断すればその時に付けます」


「うむ。ではあとは頼みます」


「わかりました」



【6世紀へタイムワープ】


 こうして三蔵一行の旅は始まりました。


「東に向かいます」


「三蔵法師様、東って何処まで東ですか?」


「ふたりとも知っているはずです。奴国です」


「え?!」


「吸収木の件では悟空に土地勘を付けるためとアリアの変化を確認するために同行して頂きました」


「……なにもかもが仕込まれてる」


「いや違う。お主が持つ力が買われているのだ。でなければここで改めて言うこともなかろう」


「う~む、あ、忘れた。三蔵法師様、ちょっとジダン王国まで行ってきます」


「はい、気をつけて」


「加速装置を使ってみるか。加速装置!」


「え~え?もうジダン王国?」


「なんだこれ。回りが止まってみえる。無敵じゃないか!」


「この木の下に埋めたって言ってたな。ガザガザ、あったこれだ、短刀だ。サビ1つない、うん?石版があるぞ、読める」


「6世紀のアリアへ

理由はさておき私を結婚相手に選んでくれてありがとう。戻るまで待つから気を付けて。※戻るのは孫悟空ではなくてアリアだよね?」


「あぁ 私、見た目、孫悟空になってない。いろいろありがとうロナウド、待ってて。何か言われるまでこれで通してみるから……」





 




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