第27話 5 years ago

 ジダン王国の王様、王妃様に「はじめまして アリアです よろしくおねがいします」

をして5年が経った。


今、どこかって

「帰り道」

何処からの

「病院」

ってことは何科!!!

「精神科」ドヨ~ン


 眠れない今。眠れない夜。起きているだけの朝。

とにかく眠れない。1日眠れないだけで調子悪いよね。それが平気に2weeks以上続く。それでも仕事は溢れていた。


 私の仕事は主に迎賓館での接待であったように感じる。写真の被写体であった気もする。笑顔でね!

 

 吸収木の1件を知らない者はいない。アリアは世界一の有名人であったし、あり続けた。芸人さんから国家元首までアリアに会いたがった。歌わないMJみたいな感じって言えばいいのかな?もうわからない。辛かった。



早朝覚醒そうちょうかくせいしてる自覚があれば少しは寝てる?」


「起きてからは眠れないんです」


「どのくらい経ちましたかね?」


「2ヶ月くらいこの状態ですね」


「つらいね!寝れるだけの薬は出してるんだが……」


「先生、これって『うつ』ですよね?」


 精神科医は断定的な病名を告げたがらない。診断するのが難しいのは確かにある。鬱病うつと診断して10年後に躁鬱病そううつです。ってあたりまえのように診断を変えることがある。それくらい難しい。


「レボトミン1錠、追加しましょう。それでダメならクエチアピン1錠に変えましょう。それでダメなら連絡してください」

(いい先生だ。これは紛れもない。しかし連絡すると大抵は忙しいと言って充分な診断はしてくれない。でもいい先生だと思う。気持ちが何よりも先に伝わるから……)


だんなは?何してるんだ???


「彼は…彼は…すごく心配してくれてる。彼も忙しいのに心配掛けて申し訳ないって思ってる」


 そうなのか~


「さっきからなんとなく私の横で話ししてるあなたはだれ?」


「僕?天使、イワンだ


「天使?どこのテレビ局?」


「違う違う、ホンモノの天使」


「ホンモノの天使?」


「今の君には必要だろ?」


「なぜよ?」


「5年前に戻れるとしたら……」


「戻れる?本当に?……必要ない」


「アハハ、プレゼントだ


「プレゼント?」


「そう、プレゼント。君の場合はスペシャルプレゼントだな。2つの過去?に戻れる!」


「2つ…?…OK、マックスとルータスか?」


「戻れる時間は1週間。ゆっくり寝て起きてたらスタートだ。では…!」


「まて、まて、まて。うつだから寝れない」


「え?! レアケースだな。お薬手帳みせて?」


「持ってない」


「だよね!もってる人みたことないよね!」


「はい、処方箋」


「クエチアピン1錠で寝れないようだったら2錠にしてください!これで大丈夫!」


「本当かしら……超あやしい」


「あ?! 今、今、僕のこと怪しいと思ったでしょう?でしょう?」


「え?!」


「今、コンビニ前に止まっているボルボ、コンビニに突っ込むよ!幸いお客様はいなくて大事にはいたらなかったけど……未来がみえちゃうから!」


「ブルん~、ガチャガチャ、パン、どン」


「どう?」


「すごい!クエチアピン2錠飲んで寝るわ。その前に警察に……」


「……これからのことより今のこと。みんな一緒ね。クエチアピンってなんなんだろう…!」










 

 

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