第24話 使命

「アリア、話しがあるんだ……」


 ロナウド王子の件を一部始終を伝えた。


「……私もマックスに話しがあるの…」


「何だい?」


「卑弥呼が水晶で占いをすることは話したと思うけど今回の件とは別に暗い霧が存在するのが見えると夢の中で語られたの!それが何なのか、いつなのかはわからない……」


「なぜ黙っていたんだ?」


「マックスには幸せになってほしい。靴屋さんになってほしいの。もう巻きこみたくないの……」


「アリア……」


「ルータスとの結婚も諦めてるわ……」


「そんなに犠牲になる必要あるかい?」


「不思議な力が宿り、卑弥呼から王位を引き継いでいることを知ったときから普通の人生は送れないと思った。不幸である必要はないけど使命は遂行しなければならないの」


「僕みたいに王家さえ離脱する人間には立派過ぎるように感じるよ」


「自分でもそう思う。でも、それでも、仕方がないのよ。そういうことってあるでしょ」


「それじゃ結婚はしないのかい?」


「ロナウド王子と結婚します」


「なぜだ!なぜなんだ?」


「もしものときに必要な道具を持っているからよ……」


「空挺やミサイルと結婚するつもりか?」


「そう……」


「僕は君を愛してる」


「うふ、ありがとう。私も好きよ」


「ジダン王国なんかに連れてくるんじゃなかった」


「私が来てなくてもロナウド王子が来たでしょう」


「なんてことだ。全く祝福できない結婚なんて……アリア、考え直すんだ!」


「私が考え直さないことを前提に言ってくれてる。本当に嫌な女ね!」


「僕がロナウド王子を殺す」


「何バカなことを。人を救うために頑張ったんじゃない。そんなことをしたマックスを愛せると思う?」


「じゃアリアはロナウドを愛せるのか?」


「そんなのわからない。嫌いから好きになることもあるし好きから嫌いになることもある。よくある話しじゃない」


「……そうだね……アリアがそれでいいと言ってるんだもんな……おめでとう」


「ありがとう」


「ルータスには?」


「自分で伝えます。真面目な人だから辛い」


「そうか、ふたりとも辛いな」


「靴屋が心配することではないけど黒い闇ってなんだ?」


「そうなのよ。今回は空気の欠乏でしょ。

次も空気絡みだと思うのよね……空気が汚れるような……そんなこと……」


「汚れ……過去にはウイルス感染があったな……多くの人が亡くなっている」


「卑弥呼からの御告げを待つしかないわ、無力ね」


「無力ではないよ。モグも僕もいる」


「ありがとう、頼りにしています」


「うん。姉さん!」


「なにが姉さんよ!」


「だって兄さんと結婚するんだから…」


「姉さん命令よ。アリアのままで」


「アリア……愛してる」


「弟がわたしもあいしてる言ってるの!」

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