第17話 第1号御神木謁見
屋久島への空挺内で……
マックス「御神木はある自由意思をもって、自らの行動を決めている。卑弥呼のコンピュ―タ―によるものだとしてもだ」
アリア「うん。しかし私の命令には従うように作られていると思う」
マックス「武力を持つ連中は何を攻める?
奴国?アリア?神木?そんなことしたら自滅だよ」
アリア「だから1号神木にお知恵を拝借しにいくのよ!卑弥呼が植えたのなら樹齢1800年。これこそ神だわ」
マックス「卑弥呼って何者なの?」
アリア「知るわけないじゃない」
マックス「1号神木以外、みな天空で旋回しているんだな。アリアの帰りを待ってるように思えるよ」
アリア「きっとそうね。みんな私の指示をまってるわ」
マックス「そろそろ着くぞ」
パイロット「わぁ。すいません。前方に御神木3本、等間隔で旋回しています」
アリア「たぶん1号神木の護衛木だわ。1号神木はあの下よ。え?!頭が見えてる」
マックス「空挺上空待機、パラシュートにて3名降下!」
マックス「空挺、環境測定」
空挺「きれいな空気です」
マックス「この国はマスクがいらない。これも吸収木のおかげなんだ」
アリア「ああああぁぁぁぁぁ」
マックス「オオオオォ」
モグ「ワオ~ン」
そこには88号神木と比較しても5倍はあるかと思える御神木がそびえ立っていた。
アリア「お願いです。話しを聞いてください」
1号神木は触手を伸ばして脇に咲いていたハイビスカスをアリアに渡した。
「ありがとうございます」
触手を伸ばしアリアの手のひらに書きはじめた。
「お見えになることは連絡を受けていました。遠いところありがとう。1500年経ったくらいから飛べなくなりまして……歳をとるとなにかと不便ですね」
「1号神木様、教えてください。107本の御神木が人間の悪行に怒り、天空旋回行動にでました。今後、世界の列強が御神木を奪取するかもしれません。いや、奴国が御神木を撃ち落とすとも限りません。108本のバランスが崩れれば種子の収穫は激減すると学びました。神として私はどうすれば宜しいですか?」
「私は卑弥呼が植えた1本の植物に過ぎません。そんな私が神であるアリア様に意見するなどとんでもないことです。神木108本はアリア様の御命令に可能な限り従います。卑弥呼が植え続けた樹木がなんとかこの事態に間に合うように成長しました。卑弥呼の思いも汲んでくださいますと喜ぶと思います。」
「……無駄あしだったか……108本……旋回……老体で飛べない……え?!そうか!ありがとうございます。やってみます」
アリアは第1号御神木との会話でヒントを得たようであった。
「御神木は間違いなく107本飛んでるの?確認して、早急に、あと樹齢も……」
「はい。了解しました」
空挺内はまだ緊張気味ではあったが活気を取り戻しつつあった。
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