第5話 武力の抑止力
「マックス、みんなを助けて!!」
「わかっている。遠い空国付近からの通信は拾えないか?」
「ダメです」
「国家の仕業ではないな。空賊か?」
「空賊って何?」
「飛行機を使って金銭を強奪する輩だよ。国家より始末が悪い。交渉に乗ってこないからな!」
「どうするの?」
「武力を誇示するしかないだろう。10機の空挺部隊からパラシュートを落下させ、相手を360度包囲する。必要なら空砲を撃つ。更に必要ならば着陸して銃撃戦になるだろ」
「血が流れるの?私達は血が流れることをしているの?」
「僕達が早く吸収木を見つけなければ今回みたいなことが頻発し多くの血が流れることになるんだ」
「吸収木がなくても吸収草で世界は均衡が取れているじゃない」
「これから人口は飛躍的に増加する。空気が枯渇するのは目に見えている。僕らは1日いや3分だって空気なしでは生きていけないんだよ」
「でも…………わかりました」
「今は遠い空国を助けることだけ考えよう」
「うん。わかった、ありがとう」
「遠い空国まであと、何時間だ?」
「あと、6時間であります」
「6時間あるよ。少しおやすみ」
「うん。マックス、私、遠い空に忘れ物してきたの。持ってきていい」
「いいよ、おやすみ」
───────────────────
「本国に伝えろ。給油機を遠い空国上空に待機させるようにと」
「はい」
「あと何時間飛べる?」
「はい。5時間であります」
「5時間しか時間がない。それまでに終わらせないと!」
日の出と共に遠い空国が見えてきた。
空も空挺からは幾分近くに見えた。
国王「来てくれた。マックス、アリア」
空挺部隊の轟音は遠い空国のみんなにも届いた。
空賊1「なんだ?あれは?」
空賊2「空一面、空挺部隊じゃないか!」
お頭「こんなちっぽけな村があんなものもってるわけねえじゃねえか!双眼鏡渡せ!」
空賊3「あっ、パラシュートが降りてきた。わぁ、どんどん降りてくる!」
お頭「あの旗はたしか……あっジダン王国の
旗だ?!やばいぞ!」
空賊10名足らずに、パラシュート部隊50名が包囲した。
度肝を抜かれたお頭が態度を決めかねているとマックスが空砲の指示をだした。
「パン―パン―」
すると空賊達は武器を投げすて地面に伏した。
安全を確保した状態になってアリアとマックスを載せた空挺が着陸した。そしてふたたび離陸した。上空にはジダン王国からの給油機が待ち構えていた。
「お母様、お父様、みんなご無事で?」
国王「うん。マックス、アリアありがとう」
「モグ、大丈夫だった?」
「うん。お餅食べたい」
「うん。あとで一緒に食べようね!
ヌ―じいさんもお元気で」
「アリア王女、光栄です。最後は鍬で戦うつもりでしたばい」
「アハハ」
国王「マックス。空賊の処分と他に相談がある」
マックス「はい。なんなりと……」
そう言ってふたりは家のなかに消えていった。
ほんの数分で決着がついた。武力の差である。
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