❁記憶の断片
「お兄ちゃん、今日も遊びに来たよ〜」
この子って…小さい頃の俺か?じゃあ、綺麗に整っているここは…何処だ?少しだけ紫雨さんに会った社に似てるけどあまりにも雰囲気が違いすぎる。
小さい頃の俺が走っていく方向に一人の男性が立っていた。
ん?あれって…紫雨さんなのか?の割には少しだけ老けているような?
しかし、紛れもなくあの人は紫雨さんだ顔立ちが同じだし髪の色も瞳の色も同じだ。でも…なんで老けてるんだろう?
「今日も来たのか?毎日俺のところに来てよく飽きないな」
「だって…お家に居ても誰もいないんだもん」
小さい頃には既に親はあまり帰ってこなくて広い家に一人で居ることが多かった。
「そうか…それは寂しいな。よし、今日は何して遊ぶんだ?」
「今日はね?あのちょうちょさん見たい!」
「お〜良いぞ?出してやるから待ってろよ」
紫雨さんはそう言って近くの蓮池に向けて手を掲げた。すると…水の玉が宙を舞い形を変えて水で出来た透明な蝶になった。
「わぁ…すごいね!」
「そうだろ?他にもいろんな形に出来るぞ?」
紫雨さんはそう言ってどんどん色んな動物の形を作っていく、それを小さい頃の俺はキラキラした目で見ている。その光景がだんだんと遠のいていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます