第4話



 外出の終わり…。母の母、つまり私の祖母が、もう辺りが真っ暗になった頃に、

「トップスに寄りましょうよ。」

 と急に言い出したそうだ。


 母の父、私の祖父は祖母にとっては仕事人間だったそうだけど、土日は必ず「家族全員でどこかに行こう。」と色んなところに連れて行ってくれる子煩悩な人で、母は色んな記憶がごっちゃになるほど都内の多くの街に思い出がある。


 母は、

「TBS会館」と聞いて、ドリフターズや向田邦子に会えるんじゃないかとドキドキした。

 と言うような事も話していたが、どうも年数が合わない気がする…。

 向田邦子さんの本は、中学の時に夢中になって読んだんじゃなかった?


 まぁ、子どもの頃の記憶だしね。


 テレビ局の人が、可愛い私(母)を見つけて、アイドルになるかも知れない。でも、パパもママもきっと反対するだろうな…。


 というような未来もちょっと期待したらしい…。


 母…恐るべし。


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