第102話 俺のペットなのである



 この学校に入学してきた当初は麗華と付き合うような未来が訪れるなど想像すらできない程の高嶺の花だった。

 

 そして、俺が麗華に惚れてアタックし、晴れて付き合い始めたのではなくて、麗華が俺に惚れてアタックしまくった結果俺が折れた形で付き合うようになると、誰が想像できようか。


 いまでもふとした瞬間に『本当は夢なんじゃなかろうか?』と思ってしまう程信じられない事が起きているというのは、麗華と付き合っている当の本人である俺が一番そう思う。


 まぁ、麗華のあの中身を知れば納得と言うか、常人には務まらないというか、なんというか。


 だからこそ麗華はあの美貌があるにも関わらず今まで誰とも付き合ってこず、そして男性を避けていたせいでそれが板につき『氷の女王』という二つ名がつけられてしまうようになったのだろう。


 そんな、他の男には冷たい氷の女王も俺の前では熱々なのだが。


 こればかりは少しばかり優越感を覚えてしまうのだが、あの・・麗華と付き合っているのだがこれくらいの事は許して欲しいかぎりだ。


「おい、何妄想に耽っているんだよっ!! あれかっ!? 麗華とのムフフな事を思い出しているのかっ!? そうだろうっ!! 畜生っ!! なんで俺ではなくてお前何だよぉぉぉおおっ!!」


 そして俺の友だった男は何かを察したのか泣き叫び、走りながら俺の前から去っていくではないか。


 どうせ同じクラスなのだからこの後顔を合わすのに……。


 そのせいで周囲の学生たちが俺の存在に気付いてしまったのか『ほらっ、アイツがあのっ』『へぇ、なんだかパッとしないわねっ』『殺す殺す殺す殺す殺す』『死死死死死死』などという会話や言葉が聞こえてくる。


 なんか、呪い殺されそうな気がするんだけど気のせいだろうか?


「あら? どうしたのかしら?」


 そんな事を思っていると、俺の友達と入れ替わりで麗華がやって来るではないか。


「いや、何も。 しかし今日は一緒に登校できないって朝メールで事前に確認していたからあと少しだとしても一緒に登校できてうれしいぞ」

「本当は今日も一緒に登校したかったのだけれども、ご主人様との明るい家族計画を練る為にゼ・クシィーを隅々まで読んでいたら夜更かししてしまって……すこしばかり寝坊してしまったの……。 あれは悪魔の書物に違いないわっ!! だって一度開けば時間が一瞬にして解けてしまうんですものっ!!」


 しかしそんな他人からの嫉妬など、目の前の可愛い俺のペットを見ると一瞬にしてどうでも良くなった。


 この可愛いペットが、俺のペットなのである。


───────────────────────────────────────



 これで一旦番外編は終了でございます(*‘ω‘ *)ノ


 ここまでお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

学園一のマドンナで氷の女王と呼ばれる氷室麗華は、俺のペット Crosis@デレバレ三巻発売中 @crosis7912

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ