第97話 当然愛おしいわよ?


「私がこの旅行でご主人様とヤレルと思ってどれだけ待ちわびたと思っているのかしらっ!? それはもう、旅行先へ向かう道中の電車の中で『今日私のご主人様は結ばれるんだっ!』と妄想するだけで辛抱できなくなり『もう電車の中だけれども襲ってしまおうか?』と思ったくらい、旅行へ行くことが決まったその時から今日ご主人さまとヤレるのを一日千秋の思いで待ちわびてやっとホテルに到着したら、ダブルベットッ!! これで我慢しろという方が無理というものよっ!! むしろなんでご主人様はこの状況で我慢できるのかが私には分からないわっ!! ご主人様も私とズッコンバッコンしたいから旅行の計画を立てたんでしょうっ!?」

「女の子がズッコンバッコンいうものではありませんっ!!」 


 そして麗華は溜まりに溜まった感情(主に性欲と、欲求不満)が爆発して、早口でまくし立てて来るのだが、とどのつまり『やりたいからやらせろ』の一言で終わる内容であった。


 というか、ズッコンバッコンは流石の俺も指摘せざるをえなかった。


「ちょっと良いか? 麗華」

「な、なによ……? ご主人様」

「できるペットというのは待てができるのではないか?」

「…………はっ!? なるほどっ!! そういう事なら早く言ってちょうだいっ!! 思わず感情的になってしまったじゃないのっ!!」


 いや、本当はそういう事ではないのだが、良い感じに勘違いしてくれてホッとする。


「確かに、できるペットは『待て』ができるものね。 そしてこれはある種の『待て』をご主人様がペットである私に命令しているという事ねっ!! いわばここでヤル事はいったんおあずけをして、観光を先にすましてから………という事であり、これから観光に向かう事こそがある種のプレイという事になるというかしらっ!? そう考えると……これはこれで興奮してきたわね……っ!! そして興奮や期待といった感情が一番ピークになったところでご主人様とヤル事ができるという事なのねっ!!」


 そしてなんとか麗華を騙せ…………説得でき、先に観光地へ向かうのであった。


 ちなみにその夜は朝方までヤッた為、絞り取られて死ぬんじゃないかと思ったほど、麗華の性欲は想像以上に強かった。





「んーーーー…………っ!! 良い朝ねっ!!」

「あ、あれほどヤルことをヤってこう、疲れとか無いのか?」

「むしろスッキリ爽快な気分で、疲れなんか微塵も感じないわ。 強いて言えば少しだけ筋肉痛な所かしら……? でも今はその痛みすら愛おしいわね……。 あ、勿論愛おしいのは筋肉痛だけではなく、破瓜の痛みも当然愛おしいわよ?」


 誰かこいつに恥じらいという感情をもう少しだけ強めてもらえないだろうか?

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