第94話 全てをソレに結び付けてしまう思考回路


「そ、そそそそっ、それもそうよねっ!! これから私たちはいくらでも時間はあるんだもの。 だったら今しかできない事は、今するべきよねっ!! 大人のスポーツはいつでもできるんだものっ!! そう、これから有り余った時間全てでいるでもできるのだからっ!! それこそ遠い未来などではなく、この旅行から帰ってきてもまだ夏休みが終わった訳ではないという事は、夏休み中である限りやろうと思えばいくらでもできるものねっ!! というか、別に夏休みじゃなくとも土日祝日、いやそれこそ学校が終わった放課後にでもラブホテルにでも行けば誰にも邪魔されずにやりたい放題だものねっ!! あ、でも流石に制服のままラブホテルへ行くと警察を呼ばれたり見回りの警察が居たりして補導されかねないから一度お互い家に帰って私服に着替えてくる必要があるわねっ!!」


 さすが私のご主人様っ!! 


 言われてみれば確かに大人のスポーツは今じゃなくても、この旅行から帰ってきてからでも、いつでもできるのである。


 別に遠距離恋愛をしており、この旅行の期間しか会えないというような関係ではないのだ。


 今まで泊りで旅行という事でヤルことばかりで頭の中はいっぱいだったのだ私と違い、ご主人様はやはりそんなペットを導いてくれる最高のご主人様であった。





 俺は今猛烈に引いていた。


 誰に引いているかというと、俺のペットであり彼女でもある氷室麗華にである。


 まさかとは思ってはいたがそれでも一応学園では頭脳明晰としても知られているためまさか本当に、ただのむっつりスケベ故の溜め込んだ性欲に負けてラブホテルを予約したとは……。


 分かってはいたのだけれども、それでも一縷の望みがあるのと無いのとでは全く違ってくるというものである。


 というか思春期真っただ中であり年相応に性欲があると思っている高校男児である俺よりも性欲が溢れに溢れているというのはいかがなものか。


 そして、これから俺は麗華の性欲についてこれるのだろうか? と、まだお互いそういう経験がない状態から不安になってきてしまう。


 それこそ吸い尽くされて枯れてしまわないように今から性の付く食べ物を中心で食べていった方が良いのだろうか?


 そもそも、今この場を切り抜ける為になんとなく言った言葉のせいで麗華の性力が跳ね上がってしまい、俺のスカ〇ターでは測定不能な値にまで上昇しているような気がするのは気のせいだろうか?


 というかそもそも俺は『今できる事を楽しもう』という意味で言っただけであり『少しでも空き時間があればいつでもどこでもできるね』という意味では言っていない。 唯一誤算があったとすれば麗華の性欲と全てをソレに結び付けてしまう思考回路を視野に入れていなかった事である。

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