第93話 つい思ってしまう
だから誰が悪いというと、元を辿ればご主人様が全て悪いともいえるのである。
そんな、自分でも理不尽だなと思いながらそんな事を考え、窓の外で流れていく景色を眺めている。
知らない土地、初めて見る景色、知り合いなどまずいないであろうこの場所であればご主人様と首輪にリードをつけてもらって散歩をしても大丈夫なのではなかろうか? と、ご主人様と観光地巡りなどではなくそんな事を思ってしまう。
結局ホテル選びの時でもそうだったのだが、ここ最近私の性欲が日に日に肥大してきており、何かにつけてそっち方面に考えてしまっている気がするのは気のせいだろうか?
確かに、ご主人様のペットになる前と後では圧倒的に後の方が比べるまでもなくそういう事を考えるようになったのだがここ最近では特に歯止めが利かなくなってきている気がする。 いや、間違いなく増えているだろう。
でも、それはご主人様が最後の一線を今まで超えてくれなかったのに、ここにきて急に『二人っきりで旅行に行こう』などと言うからであり、私は悪くない。
「どうしたんだ? 顔が少し赤いみたいだけど。 しんどいなら今日はホテルで休んでおくか?」
そして、一人発情して妄想が膨らんでいる私を見てご主人様が私の体調が悪いのだと勘違いしたのか心配そうに話しかけてくれるではないか。
というか、どうせ一日ホテルにいる事になるのであれば別に先ほどのラブホテルでも良いじゃないかと、つい思ってしまう。
「いえ、大丈夫よ。 ただ単にエロい事を考えていたら興奮してきただけよ。 体調が悪いどころか良すぎてヤバいくらいよ。 でもそうね、興奮しすぎて体調が悪いという視点であればあながち間違いでは無いかしら? それならばご主人様が一日中ホテルで私を介抱してくれるという事でよろしいかしら? であれば今日一日ホテルに缶詰めでも私は以一向にかまわないわよ?」
「あ、なら大丈夫そうだな」
「もう、我慢しなくていいじゃないのよ。 ご主人様も男性、それも思春期であれば持て余す性欲を発散したいと我慢しているんでしょう? であれば一緒に発散しても良いと私は思うのだけれども?」
まったく、私のご主人様は変な所で真面目な所が良いところでもあるけれども悪いところでもあるわね……。
「いや、それは今じゃなくても、これからいつでも発散できるようになるから今じゃなくても良いだろう? それよりもこの観光地に来るのはいつでもという訳にもいかないからな。 それならば麗華と一緒に観光地を巡りたいんだが?」
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