第90話 むっつりでドスケベ
「なぁ、麗華……」
「何かしら? ご主人様。 今からもう我慢ならない程に興奮してしまったという事かしら? それはそれは、仕方ないわね……まったく。 こうなってしまってはペットである私がご主人様の興奮してしまった感情を諫めてあげないといけないわね。 あぁ、なんてご主人様思いのペットかしら。 ほんと、こんなできたペットで彼女なんてそうそういないわよ? 私という存在を手にすることが出来た事を感謝する事ね」
そもそもタクシーを使い目的のホテル名ではなく住所を言っていたところから何かがおかしいと勘づくべきであったのである。
そう、タクシーが麗華指示した場所に俺たちを降ろしてくれたのだが、その場所は建物がピンク色に塗られており、どっからどう見てもラブホテルにしか見えないのである。
「いや、興奮しているのは麗華の方だろう? ラブホテルに来たのは俺の性欲が爆発してしまったせいみたいな感じに言うのは止めてくれないか?」
「またまた、そんな強がりを言ったって身体は正直なのは分かっているのよ? さぁ、行きましょうっ!! 今すぐにっ!!」
「どう考えても身体どころか性欲に正直すぎて辛抱たまらなくなっているのは麗華の方だからな? というか行きませんっ!! 俺たちは未成年だからこういった施設は利用しませんっ!! このドアホウっ!!」
「ぐぬっ……で、ですが、どうせホテルに泊まったらヤル事はヤルのでしょう? であればそれに特化したホテルに泊まる方が理にかなっていると私は思うのだけれども?」
は? 何を言っているんだ? この馬鹿は。 麗華は普通に頭が良い方だとは思っていたのだが勉強はできるが地頭はからっきしバカという奴なのではなかろうか? 麗華と出会ってから今日までの間にその推測が正しいと思わざるをえないのだが……。
しかし、だからと言って地頭が悪いと舐めてかかると痛い目に見るので、こと性欲に関しては地頭の良さが出てしまっているように思う。 そして肝心なところで知能が一気に低下してしまい性欲を
抑えきれずにこうして俺に突っ込まれてしまうのかもしれない。
…………これではまるで初めての彼女ができて性欲を我慢できなくなった男子中学生ではないか。
まさか学園のマドンナ的存在であり、氷の女王と呼ばれていた麗華がここまで、むっつりでドスケベであると、一体誰が思っただろうか。
「なぁ、麗華……最悪ここのホテルに泊まるとしてだ、明日の朝までこのホテルに過ごすというのか? 普通のホテルと違ってチェックインしたら外出できないと思うんだが?」
「…………そうじゃないのかしら?」
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