番外編
第89話 今になって俺は激しく後悔していた
晴れて俺と麗華は付き合うようになったのだが、今俺は麗華と恋人としてこれから先やって行けるのか、そして恋人よりも更に踏み入って関係性である結婚という関係も視野に入れていたのだが、それさえも幸せな日常というのを想像する事が難しくなりそうだ。
そう俺は、目の前にいる俺の彼女であり、俺のペットでもある氷室麗華を見て思う。
今現在は絶賛夏休み真っ只中。
俺達はその夏休みを利用してアルバイトで貯めたお金で麗華と一緒に地方へ2泊3日の旅行に来ているのだが、麗華の行動が軽く俺の想像を超えて来てしまっており、これから麗華と過ごして良く自信が揺らいでしまっている。
そもそも俺だって麗華がド変態というか、ペット願望があり、その性癖を俺にだけ見せる事ができるが故に暴走気味である事も、信頼しているが故にタガが外れやすくなってしまっている事も理解した上でこの初めての旅行計画を立て、実行に移したのである。
勿論その為に俺達はお互いの両親からしっかりと許可も貰っている。
因みに俺達の関係はお互いの両親公認でもある。
というか麗華側の両親は自分の娘の異常性癖に感付いていたらしく、恋人は一生できないのではないか? このままでは孫の姿も見られないのではないか? と不安に思い出した時に俺と言う娘の性癖も受け入れてくれる彼氏を捕まえてきたという事で、かなりウエルカムな雰囲気で俺を向かえ入れてくれたあの日の事は今での鮮明に覚えている。
麗華の両親の表情こそはにこやかであったものの、その目には確かに『絶対に逃がさない』という強い意志が宿っていた。
そして俺の両親はというと『こんな平平凡凡の男で本当に良いのか?』『麗華ちゃん程の女の子ならもっといい男を狙えるわよっ!!』『早まってはいけない』などと、まるで自分達の息子に対する言葉とは思えない数々の有難い言葉をかけられたりした。
そんなこんなで快く? お互いの両親からは受け入れられ、そして了承を取った上での麗華との旅行である。
旅行へ出発する時はお互いの両親に隠して旅行するという後ろめたさも無かった為純粋に旅行が楽しみであたし、麗華も今回の旅行が楽しみだと言っていたし、麗華が楽しみにしていた事はホテル選びに念入りであったところからも窺える。
そう、俺は麗華がホテル選びに念入りであった事に全く疑念を抱いておらず、そして麗華を常識の範疇で考えてはいけなかったと何故気付けなかったのか、今になって俺は激しく後悔していた。
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