第83話 頭痛がしてきた
「よし、とりあえず意味が分からないので今から話の整理しようか」
「整理って何よ? 私がさっき言った事そのままでいいでしょう」
「いや、良くねぇだろ」
そして流石にこのままでは周囲から見れば俺は朝比奈と付き合っているにも関わらず麗華と浮気をしているクズ野郎にしか見えない為、朝比奈の言っている意味が分からないので整理する事にする。
「そもそもまず俺は朝比奈に告白してフラれたよな?」
「えぇそうね。 確かに私はアンタをフったわよ。 それが何だって言うのよ? アンタが私と言う者がいながらそこの氷室麗華とかいう泥棒猫と浮気をしていた事には変わりないでしょうっ!! いくら言い逃れしようともアンタが氷室麗華とキスをしていた所はバッチリ見ていたんだからねっ!?」
何だろう? あまりに話が通じなすぎて頭痛がしてきたんだが……。
「ちょっと待てちょっと待て。 俺はお前に告白してフラれた。 ここまでは良いな?」
「そうよ。 それがどうかしたの?」
「だったら俺とお前は付き合っているわけではないから、俺が誰と付き合おうが別に良いだろう?」
「良いわけないじゃないっ!! 何を言ってんのよっ!! だってアンタは私の事は好きなのに他の女性と付き合うって事でしょうっ!? そんな事が許される事ないじゃないっ!!」
そして俺は何とか噛み砕いて朝比奈に分かりやすいように説明してみるのだが、むしろ俺の方がわけが分からなくなってきた。
朝比奈の返答を聞く限り、朝比奈は俺たちが付き合っていないという事を理解しているにも拘らずそういう答えに行き着く意味がもう俺の脳では朝比奈の考えは解読不能である。
「いやいやいや、流石にそれは意味が分からん。 そもそもお前、俺をフる時『私には既に付き合っている彼氏がいる』って言ってフったじゃねぇか。 俺は彼女を作ってはダメお前は彼氏作っても良いいう意味が分からん」
「何で私の気持ちが分からないのよっ!? それに私に彼氏がいるっていうのはハッタリで、それでも私に告白してくるのが男ってもんでしょうっ!! 他の男性から奪ってでも私が欲しいって示して欲しいという私なりの照れ隠しであって、客観的に見ればあの流れフったように見えるかも知れないけど、アンタならば私のこの気持ちを理解してくれるって信用したのに、何で裏切るのよっ!! 最低っ!!」
「…………いや、最低はお前だろう。 ごめん、流石に無理だわ。 それに流石に俺の気持ちを踏み躙るような事をした相手だと知った今、たとえ麗華と付き合っていなかったとしてもお前とは付き合えないわ。 お前は俺があの時どんな気持ちで告白したか想像すらしてなかったのかよ……」
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