第77話 絶対に信じてもらえないだろう

 何だろうか? 才色兼備と言われている麗華なのだが、こと変態行為ペットプレイの事となると麗華の知能指数が一気にIQ三くらいにまで下がっているように思えるのだが気のせいだろうか?


 ただ、この時に気をつけなければならないのが、自分の性欲を満たすためならば、その瞬間だけ知能指数が跳ね上がる事があるという事なのだが、今の麗華を見た感じどう考えても下がっている方なので今回はそこまで気を使う必要もないだろう。


 そんな事よりも、取り敢えず今は昂った感情のまま抱きついてくる麗華のお胸様の柔らかさがダイレクトに俺の胸板に伝わってくるわけで、しかもそれだけではなく、それは俺の胸板に麗華の胸を押しつぶす事ができるくらいには密着しているということでもあり、そのため麗華から女性特有の甘い香りが俺の鼻口をくすぐってくるではないか。


 正直な話、今すぐにでも麗華を襲いたいと思ってしまう。

 

 そもそも好きな異性から抱きつかれて、しかもその大きな胸を胸板に押しつけられれば誰だって理性なんか持つはずが無いのである。


 だから俺が麗華に抱きつかれて大人の運動会を開催したいと思ってしまうことは仕方のない事なのである。


 というか、こっちまで知能指数が明らかに低くなってしまっているので、このままではダメだと俺は深呼吸をして落ち着かせる。


 それでも胸板に感じる柔らかさや香ってくる甘い香りが消えてなくなるわけではないので、本来の知能指数よりも低い状態であるのだが、大人の運動会を開催したいという欲求を抑える事ができるくらいには冷静さと知能を取り戻せていると思いたい。


 そして俺は流石にこのままではまずいと思い、心の中で血の涙を流しながら俺に抱きついている麗華を剥がす。


「あら、もうおしまいかしら? もう少しご主人様を堪能したいのだけれども」

「いや、流石に遅刻するからこのままというわけにもいかないだろう。 ほら、取り敢えずバス停までいくぞ」


 しかしながら麗華はまだ俺の身体に抱きついて堪能したいというのだが、このままでは間違いなく遅刻してしまう羽目になるので麗華の手を握ってバス停まで歩き出す。


 ちなみに手の握り方は麗華の希望により恋人繋ぎである。


 まさか、高嶺の花である麗華とこうして恋人となり一緒にてをつないで学校へ登校する未来がくるとは、思いもよらなかった。


 特に裕子に振られたばかりの俺に一ヶ月以内に恋人ができて、その相手は氷室麗華であると教えても絶対に信じてもらえないだろう。


 今でさえ夢なのではないか? と思ってしまうほどなのだから。

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