第66話 息子を沈める必要が無くなる
何故だろうか。
ただ水が細い入り口から勢いよく水の上に落ちる音を聞いているだけなのにこんなにも悪い事をしているような罪悪感を感じてしまうのは。
…………うっすら生えていたな。
そして俺は麗華がパンツを下ろして便器に座るまでの過程を見ているわけで、それは言い換えれば当然麗華の大事な部分も目に入るわけで、そして俺は男で麗華は女であって、当然目線は俺の意志には関係なく本能で麗華の大事な部分に行ってしまうわけで。
だからこれは不可抗力であって俺が変態というわけではない。
そもそもその原因を作ったのは麗華本人であり、麗華が異性である俺の前でパンツ一枚になるだけでも相当のど変態なのだが、そこから更にパンツを脱ぐだけではなく用を足す事をしなければ俺も麗華の大事な部分を凝視することもなかったのである。
それこそ、その瞬間は世界がスローモーションに見えてしまう程までに集中したのもまた、俺ではなく切っ掛けを作った麗華のせいであり、諸々ひっくるめて俺は無罪であると声を大にして言いたい。
「あぁ、私は今……っ、ご主人様に見られながら用を足しているんだわ……っ! そ、それに用を足す音までも聞かれているなんて……は、恥ずかしすぎてどうにかなってしまいそうだわっ!!」
そんな麗華は真っ赤になった顔を両手で押さえながらそんな事を言うではないか。
流石にこの状況は麗華も想像以上に恥ずかしかったのだろう。
当たり前だ。 いくら変態といえども年頃の女の子が異性に用を足す音を聞かれるだけでも悶絶するくらいには恥ずかしいだろうに、その異性の前でパンツ一枚になり、そのパンツも脱いで用を足しているのである。
これで恥ずかしくないという女性がいれば、それはもう感情が麻痺していると言って良いだろう。
「この羞恥心はクセになってしまいそうだわ……っ! お、おそらくどの中毒性があるものよりもこの『ご主人様の前で用を足す』と言う中毒性には劣ると言っても過言ではないくらいには、クセになってしまいそうだわ……っ。 ただ恥ずかしいだけではない何か、そう、用を足すという
うん。 何か麗華がぶつくさと独り言を言いながら今の麗華自身の感情等を分析しているみたいなのだが、俺は何も聞こえなかった事にしよう。
しかしながら麗華の独り言のおかげで、俺の感情は正常とまではいかないが俺の息子を目覚めさせないように母親の顔を脳裏に強く思い浮かべて俺の息子を沈める必要が無くなるくらいには落ち着いくことができたと言えよう。
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