第62話 そう、そのまさかよ
「いやいやいやいや、流石に女子トイレまで行って教えるのはいくら深夜で人通りが少ないといっても万が一を考えた場合リスクが大きすぎるから俺はやらないぞっ!?」
そして麗華は俺に口頭だけで終わらす事を許してくれないようで、しっかりと教えて欲しいとド変態もド変態な発言に流石の俺も引きつつも、口頭以上という事はどう考えてもトイレの中まで入らないといけないわけで、流石に俺が女子トイレに入る事はもちろん、麗華が男子トイレに入る事もリスクの割にはデメリットが大きすぎる為流石に却下する旨麗華に伝える。
しかしながら麗華は俺の言葉を聞いてもまだ納得いっていないのか、やる気満々なのがその表情から窺えてくる。
「あら? いつ私が女子トイレですると言ったかしら?」
「いや、男子トイレもダメだぞ?」
女子である麗華が男子トイレに入ってまで俺にトイレを躾けてもらいたいのかと思わず麗華の欲の深さにビックリである。
「違うわよ、ご主人様。 使う場所はもう一つあるでしょう?」
「ま、まさか……っ!?」
「そう、そのまさかよ。 これから私が用を足す場所は多目的トイレよっ!!」
そして麗華は胸を張って自信満々に多目的トイレでこれから用を足すのだと言うではないか。
胸を張って自分の考えを這う減するのはいい事だとは思うのだが、せめてその内容は胸を張れる内容であって欲しいと思ってしまう。
そんな事を考える俺をよそに麗華は既に決定事項だと言わんばかりにズンズンとトイレ、それも多目的トイレに向かって行き、なんの躊躇いもなく入って行くではないか。
もう、その行動力と決断力をもっと別の何かに活かせなかったのかと思わざるにはいられない。
そして俺は麗華の、パワーに押され、そのまま多目的トイレに麗華と一緒に入ってしまうではないか。
こういう時の麗華は地味に常人を超える力を発揮していそうな気がするのだが気のせいだろうか?
しかしながら、異性と、それも学校一と言われる程の美少女と一緒に深夜の、俺たち以外に誰もいない公園の多目的トイレという密室にいるって思うと何だか不思議な気分というか、その、何だか少しだけエッチな気分になってしまう。
「じゃぁ、早速どうすればいいのかしら?」
「いや、心の準備とかさせてくれないのかっ!? もっとこう、麗華も羞恥心とか恥じらいとか何やかんやあるだろうっ!? 麗華の乙女の部分はどこに置いてきたんだよっ!? 早く無くしてしまう前に取り戻してこいよっ!!」
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