第61話 何を言っているのかしら?
今麗華が言った言葉がいまいち理解できないのだが、俺の聞き間違い出なければ麗華は俺にトイレを躾けてほしいと言ったのか?
「えっと、いや、流石に俺から教わらなくても一人でトイレくらいできるだろう?」
「はにゃ?」
何故だろうか? 今無性に麗華をどつきたいと思ってしまう。
「いやいや、今までどうやって生きて来たんだよ? 学校でトイレになった時とかはどうしてたんだよ?」
「え? 普通にトイレでしていたに決まっているでしょう?」
「できてんじゃねぇかよ」
「それは人の皮を被っているからであって今の私はご主人様のペットなのよ? ペットなのだから責任を持って飼うのが、飼うと決めた者の責務ではなくて? その一つにトイレの躾が含まれていると思うのだけれども」
あー言えばこう言うというか、一言返すと倍で返ってくるというか。
しかしながら躾と言っても何をするというのだろうか?
普通にトイレの場所を教えて男性用と女性用に分かれている事を教え、そして女性用で用を足す。 終わったらトイレットペーパーで拭いて手を洗う。 ウォッシュレットは使いたければ使う。 くらいではないのか?
流石に男性の俺が女性用へと入って教える事はできないため口頭で説明して終わりだろう。
よくよく考えれば別に、麗華にトイレの方法を教えると言っても口頭での説明だけで終わるのならば何も恥ずかしい訳でもないためいくらでも躾けてやろうではないか。
恨むならば『トイレの躾』という言葉に目が眩んでしまいそこまで考える事ができなかった麗華自身を恨むんだな。
俺はそこまで考えると、麗華にトイレの躾をすることは何も問題ないと判断して、その旨を話す。
「分かった分かった。 麗華がそこまで言うのならばちゃんとトイレの躾をしようじゃないか。 確かにペットを飼うとなれば無責任な事はできないからな」
「分かれば良いのよ分かれば。 では早速公園のトイレまで行くとしましょう」
そして俺が麗華へトイレの躾をすることに了承すると、麗華は待ち遠しいとばかりに歩を早めて真夜中の公園にあるトイレまで行こうとリードをぐんぐんと本物の犬のように引っ張るではないか。
これではペットに振り回されている飼い主だよな……。
「さぁ、トイレに着いたわよっ!! ここからどうすれば良いのかしら? ご主人様っ」
そして早速トイレに着くや否や麗華が興奮した表情でトイレの仕方を聞いて来るので俺は先ほど考えていた内容をそのまま麗華に伝え、後は実践だけなので俺は外で待つ事も伝える。
「え? 何を言っているのかしら? まさか口頭だけで伝えて躾けたつもりになっていないでしょうね?」
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