第50話 ものすごく可愛いと思ってしまう
「いや、何でもない。 ただこれからは俺の家ではスパンキングなどできなくなるなって……」
「あら、なんだ……そういう事だったの」
そして麗華は俺の返事を聞いて安心した表情を見せる。
麗華のことだからきっと悲しむか、別の場所でどうにか継続できる場所はないかと模索し始めるものだと思っていた俺は何だか拍子抜けしてしまう。
「どうした? なんかホッとしたような表情をして。 実はスパンキングはやってみたは良いが想像していた以上に痛たかったからもうやりたくなかったとかか?」
そして俺は自分なりに考察した答えを麗華に投げかけてみる。
「あら、そんな事があるわけないでしょう? 最悪スパンキングなどはカラオケボックスとかでできるでしょうし、やりようはいくらでもあるわ」
「いや、カラオケボックスはそういう用途で提供されている場所ではないから流石にカラオケボックスでスパンキングをするのはダメだろう?」
「でも本番をするわけではないのよ? それに発声練習や楽器の練習、勉強にゲームなどカラオケ以外の用途として使用する人たちも少なくないわ。 それなのにスパンキングだけがダメなのかしら?」
「……確かに。 そう言われれば、そうなのかも?」
しかしながら俺の考察した答えはどうやら間違っているらしく、そして麗華はスパンキングを止めるつもりはなさそうである。
「しかしながら、それだと尚更麗華がホッとしたような表情をした理由が思い浮かばないな」
「それは、今ご主人様がわたしが作ったお弁当を食べているからに決まっているでしょう?」
「それがどうしてホッとする事と繋がるんだ?」
「だって、わたしの作ったお弁当を食べているのに難しい顔をしていると、このお弁当はご主人様の口に合わなかったのかも知れない。 何なら本当は不味いと感じているのに無理して食べてくれているのかもしれないと思っていたら、それとはまったく別のことでご主人様は悩んでいると分かったんですのも。 私の作った料理のせいじゃないと分かってホッとしたのよ」
「なんだ、そういうことか。 それはすまん。 ただ、麗華が作った弁当は美味いから自信を持っていいぞ?」
「もう、真に受けてしまいそうじゃない。 お世辞だと分かっていても物凄く嬉しいわね」
そして麗華は俺にお弁当を誉められたのがよほど嬉しいのか、お世辞だと分かっていると言いつつも口元がニヨニヨしてしまっており、目尻は下がってしまっている。 正直言ってものすごく可愛いと思ってしまう。
「ち、ちなみにこのお弁当の中ではどれが一番ご主人様できにはおいしいと感じたのかしら?」
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