第46話 俺自身がそう望んだ
そう言うと麗華は俺にお尻を向けた状態で四つん這いになると、スカートをたくし上げて下着が露わになったお尻を物欲しそうにゆっくりとした動作でふりふりと振ってくるではないか。
「はぁはぁはぁはぁ、は、早くダメなペットのお尻を叩いてくださいっ! はぁはぁ……っ」
何だろう……今俺は物凄くダメな事をしているような罪悪感にも似た感情と背徳感や優越感といった感情がごちゃ混ぜになったような、こないだ麗華を部屋の中で散歩させた時に感じた不思議な感覚が襲ってくる。
ただ言えることはこの感情に慣れてしまったりしたら絶対にダメであると言うことだけは流石の俺でも理解はできる。
きっとその時には感覚が麻痺してしまい、この何が悪いのかすら疑問にすら思わなくなり、むしろ今感じている感情を自分から感じようと俺から求め始めるようになるだろう。
そうなった時には既に中毒症状が出てしまっているという事であり、自ら止めるというのは至難の技である。
きっとそうなってしまっては、これから先麗華と万が一別れてしまったとしても俺は付き合った女性に対して冷夏にして来たようなプレイを強要するようになってしまうだろう。
一歩その扉の向こうへ進んでしまうと元の、何も知らなかった自分へと戻る事ができなくなる、そんな恐怖も一緒になって俺へ襲ってくる。
しかし、俺はこの時忘れていた。 既に俺はその扉の先へと一歩踏見込んでしまっている事に。
それは、前回よりも俺の中のブレーキが緩くなってしまっているという事でもあり、当然『なんだかんだと言い訳してこの状況をどうにか回避しよう』ではなくて『これは麗華が悪のであって俺ではない。 俺は確かに麗華へ止めるように言ったんだ。 それに、麗華がやって欲しそうにしているので仕方がないじゃないか』という言い訳を頭の中でし始めている。
そして俺はその変化に全く気づけていなかった。
おそらく俺がまだ麗華を部屋の中で散歩をしていなければ『どうにかこの状況を回避しよう』と頭を悩ませていた事だろう。
しかしなが今現在俺が考えている事は『どう責任転換しようか』しか考えておらず、その変化に気づけない限りはもう戻る事はできないだろう。
いや、もしかしたら俺は実際この変化に気づいているのかもしれない。 気づいているからこそ、あえて心の奥底に仕舞って
こうなってしまってはもう何を言っても無駄だろう。
だって俺自身がそう望んだのだから。
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