第44話 漏らせば良いかしら?
「え? いや、そういう訳ではなくてだな……っ」
「大丈夫よ。 お尻はちゃんとスカートをたくし上げて、
いやもう、何で『パンが無ければケーキを食べれば良いじゃない』みたいな流れで鞭から手のひらで叩くことになっているのだろうか?
むしろ鞭よりも酷くなっている気がするのだが。
「いや、だから俺は麗華に躾といえども暴力は振るいたくないんだよっ」
「暴力ではありませんっ!!」
「……は?」
「これは暴力ではなくて躾ですっ!!」
「いや、尻叩きは流石に暴力のうちに入るのでは?」
ペットに成りきっている状態の麗華は、学校で見せる麗華とは違い明らかに知能指数が下がっており、欲望に忠実になってしまっている為対応が非常に困難である。
それがどれほど困難かというとスーパーマーケットでお菓子コーナーにいる子供へ今日は何も買わないという事を納得させる事ぐらい困難である。
「残念ながら暴力と躾は言葉が違うように明確に違います」
「いや、暴力と躾の違いではなくてお尻叩きは暴力に入るのでは? という話だと思うのだが?」
「叩かれる側の私が躾だと思っているのですから躾でいいじゃないですかっ。 ちなみにお尻叩きではなくスパンキングですっ! 」
「分かった。 お尻叩き──」
「スパンキング」
「──スパンキングをしてもいいことにしょう。 だが、麗華は躾られるようなミスはしていないし、何かを麗華に教えたいという事もないから躾ようがないんだよな」
そしてなぜ俺は今回、いつもと違ってここまで粘っているのかというと、躾る動機が何一つも無いからである。
麗華が暴力と躾は違うというように、尻を叩く為の動機が無ければそれは躾ではなくただ尻を叩かれているだけでしかないのである。
果たしてそれは躾と呼べるのだろうか? 俺はそれを躾とは呼ばない。
それで尻を叩かれて喜ぶようであるのならばただのSMプレイであると俺は思う。
「ぐぬっ」
そして麗華もまた同じことを思ったのか今回ばかりは反論もできないようである。
そこで感情に任せて『そんな事はどうでもいい』などと感情で押し切れないところをみるに、ペットではなくSMの受けになってしまうと麗華の変な拘りが出てしまっているのだろう。
「………………お……」
「お?」
「おしっこを……今この部屋で漏らせば良いかしら?」
「スパンキングしてやるから、頼むからそれだけはやめてくれ」
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