第36話 真の姿を現しかねない

「そうはいっても圭介とはただの友達だしなぁ……そもそも男同士で付き合うって、俺も圭介もノーマルで女性が恋愛対象だからな? そもそも何で俺と圭介がイチャイチャしていると思ったんだよ?」

「だ、だって……クラスの女子の間では、裏でご主人様と東城圭介が付き合っているって噂なんですもの……」

「……………………はい?」


 ちょっと待って。 意味が分からない。


「何で俺と圭介が付き合ってるって……何でそうなるんだよ…………?」

「それは、だってご主人様と東城圭介がベタベタとボディータッチしたり目と目で通じ合ったりしているからだと思うわ。 はっきり言って私が嫉妬してしまうくらいには二人はいつもいつもイチャイチャしてるわよ?」

「ぐぬ……っ」


 俺と圭介は幼馴染でありお互いに兄弟のように育っただけであり、その距離感が女性達からはそういうふうに見られていると思うと、これから圭介との距離を一度考える必要があるかもしれないと割と本気で考えてしまう。


「いや本当に圭介とは何もないからっ!! いや本当マジで圭介とは何にもないからなっ!?」


 てか、ここではっきりと否定しておかないとマジでやヤバい事になってしまいそうで、俺は全力で圭介との疑惑を否定する。


 そして、もしかしたら俺が好きだった幼馴染の女の子も、俺と圭介が付き合っていると勘違いしてしまったが故に俺はフラレた可能性も出てきた。


 なって事だ……。


 明日からクラスの女子の目線が気になってしまいどう過ごせばいいのか分からなくなってしまったではないか。


 あぁ、恥ずかしすぎるっ!!


「本当に本当? 東城圭介とは本当に何にもないのかしら? 私はそれを信じてもいいのかしら?」


 そして、クラスの女子達から今までそんな目で見られていたという事を想像してしまうと羞恥心でどうにかなってしまいそうなのだが、麗華はそんな俺の事などお構いなしにキラキラした目で俺に圭介とはそういう関係ではないのかと聞いてくるのだが、ズイズイと身体を押し付けながら聞いてくるので俺の胸板に押しつけられた麗華のお胸様が凄いことになっているではないか。


 毎日毎回麗華の身体を押し付けられたり擦り付けられたりするのだが、はっきり言って慣れるどころかより意識してしまうようになってくるので、そろそろ本気で俺の封印されし聖剣がその真の姿を現しかねないではない。


 俺の身体(一部)が疼き、性欲を倒せと轟叫んでやがるぜっ!!


 …………深呼吸深呼吸。 すっ、すっ、はーっ……あれ?


「あぁ、本当に圭介とは何ともないぞ。 そもそもこんなに身体を重ね合わせたりしているのは麗華しかいないからな」

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