第35話 いまいちピンとこない
ちなみに今日も首輪は俺が着けてあげたのだが、今回はリードは必要ないようで着けていない。
麗華曰く今日は猫の気分なのだそうだ。
犬になったり猫になったり
そして結局は犬だろうが猫だろうが俺の身体に自分の身体を擦り付けるのだが、犬の場合は命令すると一応は聞いてくれ、猫の場合は全く俺の命令は聞いてくれず麗華がやりたいように一日中過ごしてる。
と言ってもその場合は基本的に帰宅時間まで俺にくっついているだけなのだが、これはこれでいろんな意味でキツイ(ある意味でご褒美)為、どちらかといえば犬の方がマシかとも思うのだが、犬は犬で散歩の真似事をしなければならないようで(昨日レインからその業務命令が届いた)どちらが良いかと聞かれれば甲乙つけ難い。
一番良いのはペットの真似事を止めてもらう事であるのだが、それを口にした瞬間麗華がどのような行為に出るかわからない以上迂闊に口にする事すらできない。
それこそ下手したら学校で麗華の彼氏が俺であるとバラすだけで俺の人生は終わってしまうのだ。
ご主人様である俺よりもヒエラルキーが上にいるというのはペット道として良いのかと聞いてみたい所である。
そんな麗華は今も俺の胸に自分の身体を擦り付けるのに忙しいようで、麗華の頭から香る匂いにクラクラして来そうである。
それだけならばまだ良いのだが、身体を擦り付けるという事は当然麗華の柔らか身体だけではないくお胸様もまたその存在感をこれでもかと主張してくるわけで、これ以上は本当にやばい。 せっかく寝かしつけた俺のジュニアが目覚めてしまいそうになる。
「これでもまだご主人様は東城圭介方が良いというのかしら? ねぇ、どうなの? ご主人様はペットの麗華よりも東城圭介とよろしくやる方が良いっていうのかしら?」
「いや、だからそもそも何でそこで圭介が出てくるのかが分からないって言ってるだろう? 何でそんなに圭介にヤキモチを妬いているんだよ?」
「だ、だって……遠くで貴方達二人を眺めていると嫉妬してしまうほど仲がいいんですもの。 その光景を見る度に私は嫉妬と不安で胸が苦しくなるのよ? 東城圭介よりも私の方が大事だというのであれば、少しは私の気持ちも考慮して教室で東城圭介とイチャイチャするのはやめていただきたいのだけれども?」
そう不満気に麗華は上目遣いでそう言ってくる。
はっきり言って圭介とイチャイチャしている感覚がないのでいまいちピンとこないというのが本音である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます