第30話 この家での俺のカースト
「そうかそうか。 ならお座り」
「わんっ!」
麗華がそのつもりならば俺も麗華を今日は犬として扱おうではないか。 そして、恥かしさに耐えられず謝って来るといい。
俺は麗華が犬のつもりであるのならば、とある指示をだして恥ずかしがらせ、羞恥心からの謝罪へ持ち込むと『最低限会話での意思疎通はして欲しい』という流れに持ち込むつもりである。
そうとも知らずに麗華は命令されるのがよっぽど嬉しいのか、元気よく返事をしてちょこんと犬がそうするように麗華も命令通り座るではないか。
その姿を見た俺は、作戦が見事にハマった事を確信して麗華に見えないようにガッツポーズをすると共に麗華を褒めながら頭を撫でてやるのも忘れない。
できたご主人様である。
「お手」
「わんっ!」
そして俺は作戦の為に続けて麗華に指示を出す。
「おかわり」
「わんっ!」
「伏せ」
「わんっ!」
「よしよしよし、麗華は本当にかしこいなぁー」
「わんっ!!」
「じゃぁこれで最後だぞ? 行けるか?」
「わんわんっ!!」
「おぉ、やる気満々だな。 でも最後のは少しだけ難しいが行けるか?」
「わんっ!! わんわんっ!!」
そして俺はあの芸を麗華に指示する事にする。
麗華もやる気満々なので問題ないだろう。
「おちんちんっ!」
「……わ、わんっ」
そして俺は声高々に麗華に次にやる芸の指示を出す。
その芸の名前は『おちんちん』であり、二足立ちしてお腹を見せるという芸なのだが、麗華は人間で制服も着ている。
ただ犬のように立ってもそれは『おちんちん』という芸ではないだろう。
それはただ人間が立っただけで芸でも何でもないのだから、そこはやはり人間の女性ならば制服をたくし上げて犬がそうするようにお腹を俺に見せなければ俺は『おちんちん』とは認めないし、もし普通に立つだけならばそうするように指示を出すつもりだ。
麗華よ、犬になりきるというのはこういうデメリットも出てくるという事を知るがいい。
「わ、………わん」
そして麗華は羞恥心からか顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていき、先ほどまで威勢の良かった鳴き声も今では元気が無くなっている。
どうやら俺が思っている以上に効いているようで一安心だ。
そう思っていた時が俺にもありました。
麗華が恥ずかしそうにスカートをたくし上げて薄ピンク色に輝く、レースの付いた可愛らしいパンツを目にするまでは。
「…………兄貴、今日という今日は流石にドン引きだわ……。 一応この事はお母さんには黙っておくけど次は無いからね? あと貸し一だから」
そして、今日この家での俺のカーストが妹よりも下に繰り下がったのはいうまでもない。
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