第25話 親友のうんこの方が大切ではないのか?
注意すべきは氷室麗華と特に仲がいい三人組の女子、高木優子、朝霧杏奈、斎藤和葉にさえ注意していればいいと思っていたのだが、それはどうやら俺の勘違いのようである。
ちなみに先ほどから好きあらば麗華の彼氏のキ○玉を捻り潰そうとしてるのが斎藤和葉であるので、現状ではこの斎藤和葉が一番要注意人物でもある。
話は戻すとして、俺の友達でさえこれほどの殺意を宿しているなのだ。
そして、よくよくクラスの男子生徒達を観察してみると全員うっすらと隠し切れない殺意が漏れ出ているのが分かる。
これは、もし麗華の彼氏が俺だとバレてしまった場合キ○玉をひねる潰されるだけでは済まない可能性が高いという事だろう。
それこそ言葉にするのも憚れるような事をされるかもしれない。
「おい、本当に大丈夫なんだろうな? さっきよりも顔色が悪くなってきているし、脂汗も尋常じゃない程かき始めているぞ。 なんだ? 朝飯にでもあたったのか? もしそのせいで腹痛からの便意を催しているのだとしたら漏らしてしまう前に一度、恥ずかしがらずにトイレにいった方がいいと一応言っておく。 とりあえずはトイレでうんこをした奴というレッテルが貼られてしまうか、教室でうんこを漏らした奴というレッテルを貼られてしまうか、どっちか選ぶ時が来たということだ。 しかしながら俺たちももう高校生だ。 小学生ではない為、たとえレッテルが貼られたとて言葉や態度には出さないだろう。 多分。 それと便意を我慢することは身体にかなり悪いみたいだからやはり我慢しないほうが良いとは俺は思うぞ。 そして俺だけはたとえウンコマンと影で呼ばれたとしてもお前の味方だと言っておこう。 しっかし、氷室さんの彼氏は本当に誰なんだろうな。 気になって仕方がねぇ。 教えてくれたら今すぐにでもぶっ飛ばしに行ってやるのに、そのぶっ飛ばす相手が誰なのか分からないのがもどかしいぜ……」
そして俺の置かれた現状がいかにやばい状態であるか本当の意味で分かってきた俺は、さらに顔色が悪くなってきていたのであろう。
今度はガチで圭介から心配され始めるのだが、どうやら圭介は俺が先ほどからうんこを我慢しているのだと勘違いしているみたいである。
なんかもうディスっているのか本気で心配してくれているのか分からない言葉を俺にかけてくれるのだが、最後の言葉で『俺のうんこのことなんかどうでもいいから氷室さんの彼氏が知りたい』と言われているようなものである。
親友ならばそこは誰かもわからない麗華の彼氏よりも親友のうんこの方が大切ではないのか? と思わずにはいられない。
俺だったら間違いなく手の届かない存在の彼氏よりも隣の親友のうんこの方が大切だと言い切れるのに……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます