第24話 生きた心地がしない
ちょっと待て。
あれは熱意とかそんな優しいものではなかったはずである。 あれはもはや脅迫と言って良いレベルであろう。
さらっと自分が有利な方へ捏造するのはやめてほしい。
「まさか、氷室さんがフラれかけるなんて、いったいどんな男性なのですかね? 身の程知らずにも程があるでしょう。 そもそも本当に氷室麗華様を愛しているのならば付き合う前に私たちに『氷室麗華様と付き合わせてください』と頭を下げに来るべきだと思うのだけれども?」
「もし、それで麗華様が傷ついたとりとかしたのならば、私たちに言ってくれれば粛清してあげるからねっ!! そもそも私たちの姫を鳶が油揚げを獲られるかの如く横から掻っ攫うなど万死に値しますね。」
「何なら今すぐにでもそのキ○玉を捻り潰しても良いレベル。 もしそいつのキ○玉を捻り潰したい時はいつでも言って。 いつでもキ○玉捻り潰せるように練習しとくから」
何だろう? これってある意味で俺詰んでいるんじゃなかろうか?
というか、俺と麗華との関係をクラスメイト達に教えないようにして本当に良かったと心の底から思う。
もしクラスメイト達に俺たちの関係がバレたら間違いなく俺のおキ○玉は捻り潰されてしまうだろう。
想像しただけで俺の息子が物凄い勢いでヒュンと引っ込んでしまうくらいには恐怖でしかない。
「みんなありがとう。 でも大丈夫よ。 今は一応私たちはラブラブですから」
「それで、相手は誰なの?」
「この学校? この学校ならどの学年? どのクラス?」
「ちなみに名前は?」
「も、もう良いではないですか。 この話はおしまいですっ! これは私とご主人様……んんっ、私と彼氏の秘密ですっ。 私だけで独り占めしたいのですから」
「あぁ〜もうラブラブじゃないっ!」
「良いわねぇ〜っ! 私も彼氏が欲しいなぁーっ」
「素直に羨ましい」
「ふふふ、良いでしょう? 愛するものとイチャイチャできるというものはとても良いものよ? これはみんなにもおすすめするわね」
そしてクラスの女性たちは今麗華の彼氏を特定し始めているではないか。
女子たちが麗華に彼氏の探りを入れてくるたびにクラスメイトたちは聞き耳をたて、俺は『頼むから隠し通してくれっ!!』と心の中で祈る。
ま、まじで生きた心地がしない……。
「大丈夫か? 祐也。 脂汗が凄いぞ? 具合が悪いのならば保健室まで付き添おうか?」
「い、いや……大丈夫だ。 とりあえずありがとう」
「そ、そうか……。 でも本当に無理だけはするなよ?」
「あぁ、本当に無理そうならちゃんと保健室に行くよ」
あぁ、やはり持つべき物は友達だ。
「そうか、なら安心だな。 とりあえず氷室さんの彼氏って誰だろうな? 分かり次第殺そうかなぁ?」
と思った時が俺にもありました。
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