第4話

 私はある人達と会うために人の波に揉まれながら集合場所に指定した東京駅前に向かった。


 ここでええんかなぁ。取り敢えず連絡しなぁ。


 スマホのディスコードを開き着いたと連絡を入れる。


キル<着きました。


 これで良いか。後は、みんなが見てくれて連絡くれるし。


「…」


 久しぶりに東京来たけど、相変わらず建物デッカ。

 人も多いし。人酔いする。


 少し気分が悪くなったのでしゃがみ込む。


「大丈夫か。キル」


 誰かにキルと呼ばれたので顔を上げるとそこには。


「ノック。リアルで会うの久しぶり」


「そうだな。また人酔いしたのか」


「ちょっとね」


 肩を貸してもらい、近くのベンチまで運んでもらった。


「にしても、キルが一人暮らしを始めるなんてな」


「まぁね」


 ノックは自動販売機で水を買って来てくれて。


「ん」


 丁寧に蓋まで開けて渡してくれた。


「ありがとう」


 水を飲み一息つく。


 …ゲームしたい。早くリーダー達来ないかなぁ。


 ノックと2人で、ベンチで座って待っていると。


「ごめーん2人とも遅くなって」


 遠くの方で手を勢いよく振ってこっちに向かってくる人物が見えた。


「リーダー/姐さん」


「久しぶり2人とも、元気そうで良かった!」


 リーダーは腕を広げ思いっきり抱きついてきた。


 いつものことながら、苦しい。


「こらこら、フィア。そんなに抱きいてはダメだよ」


「ごめんごめん。つい嬉しくて」


「ボムさん久しぶりです」


「久しぶり。ノック、キル」


 これで4人揃った。

 なぜこの様なことになっているのかと言うと、1ヶ月前に遡る。



 1ヶ月前


キル:そう言えば私、東京で一人暮らしすることに

   なった


 父と母からの承諾を受けて数日経ったぐらいの時に、チームのみんなに報告をした。それを聞いたチームのみんなは。


フィア:あら、おめでとう!

ボム:気を付けるんだよ。女の子1人なんて危ない

   ことがあるかも知れないしね

ノック:いいなぁー、俺も一人暮らししてぇ

フィア:でも、実質一人暮らしみたいなものじゃな

    い?

ノック:違うんすっよ。兄貴はほとんど居ないけど

    会った時にめんどくせぇ

キル:そう言えばノックはお兄さんと一緒だったね


 一人暮らしを始めるとなると何が必要なのかリーダーとボムさんに相談する。

 ノックは話にならないから聞かない。


フィア:必要なもの?そうね〜。まずは防音素材を

    新しく買い直すことかしら?

ボム:それは配信で大事なものだよ。キルが聞いて

   るのは、生活する上で何がいるかだよ

フィア:生活するのに…。んーーー、分からない!


 心の中でずっこけた。

 まさか分からないとは…。


ボム:まぁ、僕から言えるのは家電製品はある程度

   揃えた方がいいよ

   料理、洗浄、掃除するのに必要だからね

   キルは特に料理するでしょ?

キル:確かにそうですね

   ありがとう。参考にしてみる


 せっかく買うのなら最新のものが良いとか、このメーカーがオススメとかを言われた。

 何言っているのか1ミリも分からないことは無いけど、分からない。

 みんなにあれこれ言われて悩んでると。


ノック:だったら俺らと一緒に探したらいいんじゃ

    ね

    そんで、ついでに遊ぼうぜ!

フィア:なるほど、良いアイデアね!

    いつ行く?!

ボム:そんなにすぐは難しいよ

   それぞれ予定とかあるから、キルが引越して

   落ち着いてからにしよう


 私が何も話さなくてもどんどん話が進んでいき、私が引越してから一緒に買い物して遊ぶことになった。



 これがことの理由だ。


「さーて、買い物にレッツゴー!」


「行くぞー!」


 楽しそうに走り出すリーダーとノック。


 ボムさんと私は後ろからはしゃぐ2人を追いながら着いていく。



 


 

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