第3話(完結) So long !

 …前菜はいつもシーフードのジュレですけど、主任も同じで良いですか?」


「も…勿論OKよ。オーダーして頂戴…」


 後悔…。日頃ガード下の飲み屋で満足していると思ってた部下が、まさか、こんな高級なお店に通ってるなんて…。


 ーお待たせしました。前菜のジュレと、エスカルゴのフォアグラでございます。こちら、お飲み物でございます。


 …主任。乾杯しましょう。プロジェクトの成功を祝い、「乾杯!」


 その後、料理はどんどん提供された。白ワインで蒸したムール貝、鴨のコンフィ、メインはシャトーブリアン、牛肉の“幻の部位”。ウェイターが熱心に説明しているが、私は聞いていなかった。ただただこの年上60歳代おじさん&おばさん部下2人を食事に誘ったことを、私は後悔していた。


 私の父より年上の部下に、なぜ高額な食事代を私が…。私そんなに給料もらってないのよ…。…よし、決めた。

 「失礼、ちょっとお手洗い。」私は荷物を持ち、そっと店を出た。

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今日は私のおごり!好きなもん注文しちゃって! 叙述トリック大好きギャル…満74歳現役女 @tata_tata

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