とあるひとりの男の子、もしくは『男の娘』の、恋や成長などの物語。
現代もののドラマでありながら、どこか幻想的な文体で綴られた作品です。
少女のように可愛らしい容姿を持った少年が、しかし長じるにつれ変わってゆく己の体に思い悩む、という導入で始まるお話。
とはいえ上記は本当に導入というか、最初一話の内容で、各話ごとにそれぞれ違った経験が軸になっているような印象があります。
周囲の男子たちにもてはやされてみたり、あるいは初めての恋人ができたり、等々。
さまざまな経験を経て、都度戸惑いや挫折を感じながら、それでも折り合いをつけていく姿が印象的でした。
不思議の国のアリス(鏡の国のアリス?)になぞらえた、言葉遊びのような表現も個性的。
独特の雰囲気に彩られた作品でした。