第三十八話 アリサ・ライゼス④

「だから好きで殴ってるんじゃないからな!?」


「そうです! オズ様はわたしのために殴ってくれているんです!!」


 と、オズの言葉に対しそんなことを言ってくれるミーシャ。

 きっと、オズを弁護してくれているに違いない。

 だがしかし。


「お、お姉の洗脳が進んでる……そんなっ」


 と、怯えた様子をみせるアリサ

 なるほど、ミーシャのフォローは完全に逆効果だったに違いない。


 などなど。

 オズがそんなことを考えていると。


「アリサ。楽しくお話するのもいいですけど、何か聞きたいことがあるんじゃないんですか?」


 と、ミーシャへと言うアリサ。

 するとアリサは、そんなミーシャへと言う。


「べ、別にないもん! こんな暴力変態男に聞きたいことなんで別にないんだから!!」


「でも、オズ様ことを聞いてから、ずっと瞳をキラキラさせてましたよね?」


「そんなことないもん!!」


 言って、『うぅ……』と唸っているアリサ。

 オズはそんな彼女へと言う。


「何か俺に聞きたいことでもあるのか? お姉さんにはお世話になってるし」


「だから別に……あ、あのさ」


 と、戸惑った様子のアリサ。

 そんな彼女はオズへとさらに言葉を続けてくる。


「冒険者ってどんな感じ、なの? あ……ちょっと興味あるだけ、よ。あんたからどうしても聞きたいわけじゃ——っ」


「よかったら詳しく話すけど?」


「本当!?」


「あぁ。今日は一日暇だし、きみが聞いてくれるならだけど」


「ふんっ! し、仕方ないわね! 聞いてあげるから、話してみなさいよね!」


 と、瞳をキラキラお口をもぞもぞ——嬉しさをなんとなさか隠そうとして、それを盛大に失敗してる様子のアリサ。


 ミーシャがいっていた。

 アリサは照れ隠しで、少し強めの発言をすると。

 要するにこういうことに違いない。


 などなど。

 オズはそんなことを考えたのち、アリサへと冒険の話をしていくのだった。

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