第二十二話 新たなる冒険の幕開け

 時はミーシャとの一件の翌日。

 場所はパンデモニウム——『魔王の迷宮』の入り口。

 現在、オズとミーシャがここにいる理由は簡単だ。


「ついに来たな」


「はい! わたし達のパーティーの初陣です!!」


 と、オズに対して言ってくるミーシャ。

 要するにそういうことだ。

 今日はミーシャと共に、ダンジョンに潜る日なのだ。


(本当はもうちょっと打ち合わせしたり、外で敵と戦ったりの予行演習をするべきなんだが)


 ミーシャがめちゃくちゃやる気で、その提案をするのが申し訳なかったのだ。

 もっとも。


(俺もこのスキル『腹パン』でどこまで行けるか、早く試したい気持ちでいっぱいだったからな)


 現に、オズはさっさとダンジョンに入りたくて、今もうずうずしているのだ。

 そしてどうやら、それはミーシャも同じだったに違いない。


「オズ様! なんだかワクワクします! 早く行きましょう!!」


 と、そんなことを言ってくるミーシャ。

 オズはそんな彼女へと言う。


「あぁ、それじゃあ行こう。ミーシャの妹さんも、あまり待たせるわけにはいかないしな」

 

「はい!!」


 こうして。

 オズとミーシャは『魔王の迷宮』の中へと、足を踏み入れて行くのだった。

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