第十九話 新たなる希望②
「本当にごめん、お礼がまだだった。怪我を治してくれてありがとう、それにわざわざ俺を運んでくれて助かった」
と、オズはミーシャへと言う。
すると彼女はオズへと言ってくる。
「お礼なんていりません! ヒーラーとして、怪我をしている人を治すのは当然です!」
「そう言ってくれると嬉しいけど。俺をここまで運ぶの大変だったろ?」
「いえ! オズ様からいただいた力のおかげで、簡単に運ぶことができました! ひとっ飛びです! 今はもとに戻っちゃいましたけど」
「……」
スキル『腹パン』した後のミーシャ。
彼女の身体能力はだいぶやばかった。
(比喩表現とかじゃなくて、本当にここまでひとっ飛びしてそうで怖いな)
しかもオズを抱えてだ。
構図的にとんでもなくシュールだ。
深く考えないようにしよう。
「あ、あの。わたしも改めてお礼をいいたのですが、本当に助けてくれてありがとうございました!」
と、言ってくるミーシャ。
彼女は戸惑った様子で、オズへと言葉を続けてくる。
「それて、ですね。聴きたいことがあるんですけど、大丈夫でしょうか?」
「ん? 答えられる範囲なら全然答えるけど」
と、オズはミーシャへと返す。
ゴブリンの一件は色々とミーシャに申し訳なかった。
質問に答えるくらいの誠意は見せるべきに違いない。
などと、オズがそんなことを考えていると。
ミーシャは彼へと言ってくる。
「ゴブリンからわたしを救ってくれた時のあの力……あれはいったい何なのですか?」
なるほど、ごもっともな質問だ。
そしてミーシャきっと、オズの噂を聞いていないに違いない。
故にオズはミーシャへと、ここ最近あった出来事をマイナススキルのことを含めて説明していくのだった。
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