死にたがり(仮)

アオ

プロローグ

「さようなら」

とある学校の屋上、真夏の強い日の光が彼女に降り注ぐ。彼女がその時どんな顔をしていたのか、僕には見えなかった。返事をすることもできなかった。

必死に鳴き続けるセミの声だけが絶えず、僕の耳に響いていた。

彼女は何の躊躇もなく手摺の上に、自らの両足をのせた。黒く綺麗な髪が風になびいていた。

彼女はそこから落ちていった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死にたがり(仮) アオ @kuro031117

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る