七夕に流れるは
水縹❀理緒
流れるソレは何色に…
私は裕福な家に産まれました。
小さい頃から所作を学び、勉学に励み、凛と咲く1輪の薔薇のようになりました。
しかし、私は色のない薔薇。
ただの徒花でしかなかった。
言われた通りの笑みを貼り付け、
言われた通りの言葉を話し、
言われた通りの日々を過ごす。
まるでお人形さん
そんな日々でした。
ある日、星空に願いました。
私が私であるように。と
叶うはずもないことを願いました。
すると、1人の男性が私の執事としてやってきました。
彼は私の事を常に気遣ってくださった。
そして、好きだと言ってくれたの
あなたが私を色付けた、なんて知らないでしょう。
それからの私はとても美しいと言われているなんて、気づいてないでしょう。
運命?必然?そんなもの関係ない。
天が許してくれたの。
そして私が恋をした、それだけで
世界はまるでひっくり返ったように変わったの
ですが、お父様はお許しにならなかった
彼を故郷へ帰してしまったのです。
私は織姫。あなたは彦星。
まるで、私の大嫌いな物語の1つ。その主役。
ただ、愛し合っただけだった。
惹かれあっただけだった。
それすらも、天は許さないというのです。
アナタが叶えてくださったのに。
お父様は言いました
「ならば、7月の7日の日だけ。会うことを許そう」
……どうしてでしょう
私の目の前は真っ赤になりました。
ポタリポタリと、涙が伝うのです。
いいえ、これは涙だったのかしら…
愛しいあなた。
私はあなたに会うことを待ち望んでおります。
天がたとえ泣こうとも
私は笑顔で、迎えに行きましょう
ー終ー
七夕に流れるは 水縹❀理緒 @riorayuuuuuru071
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