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2022年10月18日 00:28 編集済
こんばんは。 感想を書くのが遅くなりましたが、完結させてくださってありがとうございます。 コメント欄と言ってもネタバレになるようなことはあまり書かない方が良いのでしょうか。分かりませんけれども。 以前のコメントに書いた谷ヶ崎先生のことですが、気軽に胸を押し当ててくると思っていたら「実は8割パッドでした~。春山くん、鼻の下伸ばしてたけど、残念だったね~」みたいなオチを、僕としてはちょっと期待していました。初対面の男子高校生に胸を押し当てる女性教師はライトノベルにしてもどうかと思いますが、これならまだ、「この学校では珍しい男子をからかっただけ」という言い訳がギリギリ成立するかもしれない、と。 谷ヶ崎先生による「女」の安売りの是非は、僕の好き嫌いというだけでなく、筋書きの方にも関わる問題ではないかと思います。本編ではある時点で瑠衣さんが暴発しますが、その原因とそれまでのストーリーを考え合わせると、その矛先は何の罪もない駅の設備などではなく、主人公・春山くんをたぶらかす谷ヶ崎先生(あるいは主人公とデートしそうだった潤子先輩)に向かうのでないと不自然だと思います。個人的には、主人公が色々な女性(女子生徒)から信頼され好意を寄せられたのを機にメインヒロインが暴発して女同士の対立が始まるという筋書きもそれはそれでありな気はしますが、そういうストレスフルな展開を避けるなら、最初から火種を撒かない、つまり、谷ヶ崎先生には常識の範囲内で行動してもらうのが得策かと思います。 近況ノートに書いていらっしゃった、瑠衣さんをより魅力的に描く方策について、僕から言えることはほとんどありませんが、ちょっと思ったのは地の文です。 本文では、主人公による一人称の語りにもかかわらず、早くも第4話から「朔実」、「潤子」などと下の名前で呼び捨てにするスタイルになっています。 これを会話文と同じように「朔実先輩」、「潤子先輩」と呼び続けるだけで、「瑠衣」が唯一の同学年(お互いに敬語を使う必要がない関係)であることを強調できて、他の女性キャラたちとの差別化を図れるのではないかと思います。 ここから先は本当に、僕という一読者の感想でしかないのですが、個人的には朔実先輩が好きなんです。最初に主人公を旧三年十組に連れていったのは朔実先輩なわけですし、基本的に受身な主人公を合唱部や自分の恋愛に巻き込み、最終的に状況の主導権を握る人物に育てていく上で、朔実先輩の存在ってとても大きいと思います。 ただ、まさにその恋愛のくだり以降、朔実先輩の破天荒ぶりが控えめになり、美幸先輩や潤子先輩に対して独自のアクションを起こしていないように見えるのが、(朔実先輩推しの僕としては)ちょっと残念に思えたところです。美幸先輩にしてもそうですが、個性の強いキャラクターなのに自分の問題に決着がついたら後は背景に溶け込む、みたいなのは、もったいないかなと思います。せっかく群像劇なんですし、朔実先輩が独断専行で突っ走って、先生や他の生徒を巻き込んで状況がさらにこじれてしまう、という展開があっても良かったんじゃないかと思います。もしかするとそれによって朔実先輩の好感度が下がったかもしれませんが、主人公以外の人物に惚れた時点で(もっと言えば主人公が瑠衣さんに一目ぼれした時点で)ハーレム要員からは外れているわけですから、根っこが善人であることが変わらないなら、彼女がトラブルメーカーになるのでも面白かった気がします。 朔実先輩推しの僕からもうひとつ申しますと、朔実先輩の胸が小さいことはそんなに何度も強調しなくていいのではないかと思います。女性キャラの胸にこだわる読者は最初にそうだと書かれただけで後々まで覚えているでしょうし、女性キャラの魅力は外見や身体的特徴だけではないと考える読者にとっては、語り手となっている主人公の好感度を下げるだけでしょう。胸が小さいことが何か叙述的な意味を持つなら面白いかもしれませんが、本作の場合、別にそういうわけでもないようですし。 もちろん、フェミニストが何と言おうと、現状、女性の胸の大きさを気にするのは男性だけではありません。ジブリ映画『猫の恩返し』のように、男性キャラ(バロン)が女性キャラ(主人公・ハル)に「胸を張れ!」と言って女性キャラが「胸なんてないのに!」と返すのも1つのユーモアだと思います。しかしながら、本作にはそういうコミュニケーションとしての側面がなく、朔実先輩自身は別に気にしていないのに主人公だけがしつこく彼女の胸にこだわっているという構図になっており、不自然なだけという気がします。 岩井さんに関してはあまり心配していませんが、一般論として、相手の受け取り方や反応を考えずに自分の思いついたこと、言いたいことだけを書いてしまうと、いわゆるオヤジギャグ(面白いのは当人だけで相手のキャラや読者はどう反応すればいいのか分からない代物)になってしまうことがあります。特にエロティック・ユーモアは笑いや共感を得やすいので、思いついたらそのまま書いてしまいがちかもしれません。ですが、令和の今はそれが受けるだけでなく差別性(これ自体は誰にでもあるものですが)を看破され批判の対象になることもある時代なので、少なくともWeb小説として掲載するなら、ボケた後にはツッコミを入れて、「全く主人公は困った人ですね……」というニュアンスに落ち着かせることをお勧めします(その点、第2話の「そう言うと、俺を連行してきたツインテールの先輩がぐっと胸を張った。あんまりない胸だな、と思ったのは俺だけの秘密」という書き方は、朔実先輩の外見的特徴とそれが気になる主人公の人柄に触れつつ、主人公自身によって『そんなふうに思うのは(恥ずべきことで)他人には言えないが』というツッコミが入っていて、よく出来た表現だと思います)。 長文失礼しました。 本作のことは好きですし、だからこそ2つとはいえ星を送らせていただいたのですが、このコメントは批判的な内容ばかりになってしまったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。 急かすつもりはありませんが、リメイク版が公開されたらぜひ読ませていただきたいと思っています。
作者からの返信
コメントありがとうございます! お返事遅くなり、失礼致しました。頂戴したコメント、大変興味深いですね。納得できる部分、「いや、俺の考えはこうだ!」と思う部分、両方共大変ありがたいです。ひとまず、頃合いを見てちょっとずつ改修していく予定ですので、もしお気が向きましたら、またご意見を頂戴できると大変有難く存じます<(_ _)>さて、どう直すかな……。わくわく!(^ω^)
2022年10月15日 23:26
完結おめでとうございます、そしてお疲れ様です!続きが気になる~!(*´▽`*)ってなっちゃう終わり方でした。良かったです。
コメントありがとうございます!僕はシリーズものは書かないんですけど、やっぱり余韻(と思しきもの)はあるといいよね、とは常に思っており、それでいてサッパリまとめられるように注意しております。嬉しいお言葉をいただき、ありがとうございました!
編集済
こんばんは。
感想を書くのが遅くなりましたが、完結させてくださってありがとうございます。
コメント欄と言ってもネタバレになるようなことはあまり書かない方が良いのでしょうか。分かりませんけれども。
以前のコメントに書いた谷ヶ崎先生のことですが、気軽に胸を押し当ててくると思っていたら「実は8割パッドでした~。春山くん、鼻の下伸ばしてたけど、残念だったね~」みたいなオチを、僕としてはちょっと期待していました。初対面の男子高校生に胸を押し当てる女性教師はライトノベルにしてもどうかと思いますが、これならまだ、「この学校では珍しい男子をからかっただけ」という言い訳がギリギリ成立するかもしれない、と。
谷ヶ崎先生による「女」の安売りの是非は、僕の好き嫌いというだけでなく、筋書きの方にも関わる問題ではないかと思います。本編ではある時点で瑠衣さんが暴発しますが、その原因とそれまでのストーリーを考え合わせると、その矛先は何の罪もない駅の設備などではなく、主人公・春山くんをたぶらかす谷ヶ崎先生(あるいは主人公とデートしそうだった潤子先輩)に向かうのでないと不自然だと思います。個人的には、主人公が色々な女性(女子生徒)から信頼され好意を寄せられたのを機にメインヒロインが暴発して女同士の対立が始まるという筋書きもそれはそれでありな気はしますが、そういうストレスフルな展開を避けるなら、最初から火種を撒かない、つまり、谷ヶ崎先生には常識の範囲内で行動してもらうのが得策かと思います。
近況ノートに書いていらっしゃった、瑠衣さんをより魅力的に描く方策について、僕から言えることはほとんどありませんが、ちょっと思ったのは地の文です。
本文では、主人公による一人称の語りにもかかわらず、早くも第4話から「朔実」、「潤子」などと下の名前で呼び捨てにするスタイルになっています。
これを会話文と同じように「朔実先輩」、「潤子先輩」と呼び続けるだけで、「瑠衣」が唯一の同学年(お互いに敬語を使う必要がない関係)であることを強調できて、他の女性キャラたちとの差別化を図れるのではないかと思います。
ここから先は本当に、僕という一読者の感想でしかないのですが、個人的には朔実先輩が好きなんです。最初に主人公を旧三年十組に連れていったのは朔実先輩なわけですし、基本的に受身な主人公を合唱部や自分の恋愛に巻き込み、最終的に状況の主導権を握る人物に育てていく上で、朔実先輩の存在ってとても大きいと思います。
ただ、まさにその恋愛のくだり以降、朔実先輩の破天荒ぶりが控えめになり、美幸先輩や潤子先輩に対して独自のアクションを起こしていないように見えるのが、(朔実先輩推しの僕としては)ちょっと残念に思えたところです。美幸先輩にしてもそうですが、個性の強いキャラクターなのに自分の問題に決着がついたら後は背景に溶け込む、みたいなのは、もったいないかなと思います。せっかく群像劇なんですし、朔実先輩が独断専行で突っ走って、先生や他の生徒を巻き込んで状況がさらにこじれてしまう、という展開があっても良かったんじゃないかと思います。もしかするとそれによって朔実先輩の好感度が下がったかもしれませんが、主人公以外の人物に惚れた時点で(もっと言えば主人公が瑠衣さんに一目ぼれした時点で)ハーレム要員からは外れているわけですから、根っこが善人であることが変わらないなら、彼女がトラブルメーカーになるのでも面白かった気がします。
朔実先輩推しの僕からもうひとつ申しますと、朔実先輩の胸が小さいことはそんなに何度も強調しなくていいのではないかと思います。女性キャラの胸にこだわる読者は最初にそうだと書かれただけで後々まで覚えているでしょうし、女性キャラの魅力は外見や身体的特徴だけではないと考える読者にとっては、語り手となっている主人公の好感度を下げるだけでしょう。胸が小さいことが何か叙述的な意味を持つなら面白いかもしれませんが、本作の場合、別にそういうわけでもないようですし。
もちろん、フェミニストが何と言おうと、現状、女性の胸の大きさを気にするのは男性だけではありません。ジブリ映画『猫の恩返し』のように、男性キャラ(バロン)が女性キャラ(主人公・ハル)に「胸を張れ!」と言って女性キャラが「胸なんてないのに!」と返すのも1つのユーモアだと思います。しかしながら、本作にはそういうコミュニケーションとしての側面がなく、朔実先輩自身は別に気にしていないのに主人公だけがしつこく彼女の胸にこだわっているという構図になっており、不自然なだけという気がします。
岩井さんに関してはあまり心配していませんが、一般論として、相手の受け取り方や反応を考えずに自分の思いついたこと、言いたいことだけを書いてしまうと、いわゆるオヤジギャグ(面白いのは当人だけで相手のキャラや読者はどう反応すればいいのか分からない代物)になってしまうことがあります。特にエロティック・ユーモアは笑いや共感を得やすいので、思いついたらそのまま書いてしまいがちかもしれません。ですが、令和の今はそれが受けるだけでなく差別性(これ自体は誰にでもあるものですが)を看破され批判の対象になることもある時代なので、少なくともWeb小説として掲載するなら、ボケた後にはツッコミを入れて、「全く主人公は困った人ですね……」というニュアンスに落ち着かせることをお勧めします(その点、第2話の「そう言うと、俺を連行してきたツインテールの先輩がぐっと胸を張った。あんまりない胸だな、と思ったのは俺だけの秘密」という書き方は、朔実先輩の外見的特徴とそれが気になる主人公の人柄に触れつつ、主人公自身によって『そんなふうに思うのは(恥ずべきことで)他人には言えないが』というツッコミが入っていて、よく出来た表現だと思います)。
長文失礼しました。
本作のことは好きですし、だからこそ2つとはいえ星を送らせていただいたのですが、このコメントは批判的な内容ばかりになってしまったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。
急かすつもりはありませんが、リメイク版が公開されたらぜひ読ませていただきたいと思っています。
作者からの返信
コメントありがとうございます! お返事遅くなり、失礼致しました。
頂戴したコメント、大変興味深いですね。納得できる部分、「いや、俺の考えはこうだ!」と思う部分、両方共大変ありがたいです。
ひとまず、頃合いを見てちょっとずつ改修していく予定ですので、もしお気が向きましたら、またご意見を頂戴できると大変有難く存じます<(_ _)>
さて、どう直すかな……。わくわく!(^ω^)