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2022年9月19日 23:58 編集済
こんばんは。 相談に乗っていただいた拙作『ようこそ、ナーロッパ劇団へ』は、おかげさまで無事に連載中です。PVが伸びれば罵詈雑言が殺到するかと危惧していましたが、今のところそういったものはなく、ひとまず安堵しております。 さて、本作『ガールズ・カルテット!+俺』ですが、楽しく読ませていただいております。 僕がこれまでに拝読した『She Loves You…Absolutely』に比べて文章が読みやすく、『銃刀法エイリアン』に比べて基本的な設定がすっきりとしていて、無理が少ないと思います。こんな言い方は上から目線に聞こえるかもしれませんが、「岩井さん、書き手として腕を上げてきたな」と思います。僕はご存じの通りのひねくれた理屈屋なので、誤字・変換ミスの他、人物の言動や出来事の展開についてもいくつかツッコミどころを感じていますが、岩井さんのメンタルが崩れているとのことですし、後々言及があるかもしれないので、今は言わないでおきます。 ただ、早い内にツッコミを入れておきたい点がいくつかあります。 1つは、女の子にお茶汲みをさせる場面が2つあることです。もしかすると岩井さんはフェミニストがお嫌いかもしれませんし、別にフェミニストを怒らせるなとは申しませんが、こだわる必要性がない場面でわざわざ危ない橋を渡るのもどうかと思いまして、一応指摘させていただきます。 お茶汲みのひとつ目は第6話、主人公が妹さんに相談を持ちかけて、妹さんが「あたしの部屋で待ってて。飲み物持っていくから」と言う場面です。本文には「自分の部屋に向かおうとする聡美を、俺は階段下で引き留めた」とあります。平地に立てられた、居間が1階にあって個室が2階にある家と仮定すると、主人公は妹さんより居間に近い位置から声を掛けているはずですし、妹さんは主人公を「兄貴」と呼ぶくらいには気を許しているわけなので、兄に「カルピス持ってきて」と頼んでもいいんじゃないかと思います。仮に第12話の、はしゃいでいるようにも、兄に媚びを売っているようにも見える姿が主人公の独白通り彼女の平常運転なら、兄に気を遣って率先して飲み物を用意していると解釈することは可能ですが、LINEが普及している時代にそんな露骨な男尊女卑を貫いているのは、はっきり申し上げて異常だと思います。 もうひとつは第19話、そのものズバリ、「先ほどから、瑠衣はお茶汲み係として立ち回っている」です。潤子先輩が「ありがとう、瑠衣さん。大変美味なお茶でしたわ」と発言していることから考えて、ペットボトルやそれを温めたのではなく、茶葉やティーバッグから淹れるSOS団式のようですが、瑠衣さんは主人公と同じく1年生で事情をよく知らない立場、(運動部で女子マネージャーがスポーツドリンクを用意することはあるにしても)文化系の部活で誰かがお茶汲みをする必要性は普通ない、しかも主人公は趣味感覚とはいえ茶道を習っていると来れば、この場面で瑠衣さんが「お茶汲み係」として立ち回る必然性は、「どう考えてもない」と言っても過言ではないはずです。もちろん、長話をする場面で女子生徒がみんなにお茶を配る場面を書くこと自体が悪いとは言いませんし、現実でもそういう場面はあるかもしれません。ですが、女性が「お茶汲み係」をさせられるのは身近な女性差別として最もよく知られたものの1つですから、よりにもよって「お茶汲み係」という言葉を使ってしまうのは、敵を増やすだけだと思います。もしかすると、この場面を読んで「瑠衣ちゃんはなんて気の利く子なんだ! 主人公が手を出さないなら俺が嫁にしたい!」と思う読者もいるかもしれませんし、もし岩井さんがそういう読者向けに本作を書くおつもりなら止めはしませんが、そういう人たちは果たして、女子高生がお茶汲み係を務めたくらいでその子のことを好きになってくれるのでしょうか。ともかく、100点を目指して大火傷するくらいなら、80点辺りでもそれなりに受け容れられる表現を目指すのが、作品の書籍化を目指すときの基本セオリーだと思います。 早い内にツッコミを入れておきたいことの2つ目は、谷ヶ崎先生のことです。とはいえ、この僕が、お茶汲みについて長々とお話しした後に彼女のことに触れるとなれば、こちらが言いたいことはもうお分かりだと思います。 あえてひとつだけ申し上げるなら、「女」を安売りする女性は、同性に嫌われるだけでなく、男性にも軽んじられるばかりで愛されはしないだろう、といったところですね。まあ、この辺りは既に申し上げた通り、今後の展開で変わる可能性もあるので、今の時点でこれ以上の指摘をするのはやめておこうと思います。 コメント欄を拝見しますに、他の方は「可もなく不可もなし」くらいの評価のようですが、ここまで読んだ僕としては、もう少し上の評価でも良いと思っています。突飛なことがなかなか起こらないという意味で「この作品独自の強み」がないのは確かにそうかもしれませんが、異世界モノで代わり映えしないテンプレがPVを稼いでアニメ化までされるように、水戸黄門や寅さんがいっつも同じようなことしかしないように、ベタな展開を手堅く、安定してこなせるなら、(Web小説としては)それはそれで需要があると思います。少なくとも僕は、事件らしい事件が起こる後半パートよりも、前半パートの方が好きでした。 当然、今から路線変更しろとは言いませんが、ベタな展開でも良いくらい脇役たちにも魅力がある作品なので、形はどうあれ、話として一段落するところまで持っていってほしいと思います。 長文失礼しました。このコメントは批判的な内容が長くなったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。 最後になりましたが、物語の続きを楽しみにしています。
作者からの返信
こんばんは。いつもお世話になっております<(_ _)>コメントを拝読させていただきました。が、現在(=拝読したばっかり)としては「よし、これからバリバリ改稿するぞ!」というアバウトな目算しか立っておらず、「やる気はあるけど知恵はでない」状況です(^^;具体的にどうこうと申し上げられないのが心苦しいのですが、あじさいさんから頂戴したアドバイスを精査させていただくことには大変意欲的であり、前向きであると言う程度のことはできるかもしれません。今後ともよろしくお願いいたします(^ω^)
編集済
こんばんは。
相談に乗っていただいた拙作『ようこそ、ナーロッパ劇団へ』は、おかげさまで無事に連載中です。PVが伸びれば罵詈雑言が殺到するかと危惧していましたが、今のところそういったものはなく、ひとまず安堵しております。
さて、本作『ガールズ・カルテット!+俺』ですが、楽しく読ませていただいております。
僕がこれまでに拝読した『She Loves You…Absolutely』に比べて文章が読みやすく、『銃刀法エイリアン』に比べて基本的な設定がすっきりとしていて、無理が少ないと思います。こんな言い方は上から目線に聞こえるかもしれませんが、「岩井さん、書き手として腕を上げてきたな」と思います。僕はご存じの通りのひねくれた理屈屋なので、誤字・変換ミスの他、人物の言動や出来事の展開についてもいくつかツッコミどころを感じていますが、岩井さんのメンタルが崩れているとのことですし、後々言及があるかもしれないので、今は言わないでおきます。
ただ、早い内にツッコミを入れておきたい点がいくつかあります。
1つは、女の子にお茶汲みをさせる場面が2つあることです。もしかすると岩井さんはフェミニストがお嫌いかもしれませんし、別にフェミニストを怒らせるなとは申しませんが、こだわる必要性がない場面でわざわざ危ない橋を渡るのもどうかと思いまして、一応指摘させていただきます。
お茶汲みのひとつ目は第6話、主人公が妹さんに相談を持ちかけて、妹さんが「あたしの部屋で待ってて。飲み物持っていくから」と言う場面です。本文には「自分の部屋に向かおうとする聡美を、俺は階段下で引き留めた」とあります。平地に立てられた、居間が1階にあって個室が2階にある家と仮定すると、主人公は妹さんより居間に近い位置から声を掛けているはずですし、妹さんは主人公を「兄貴」と呼ぶくらいには気を許しているわけなので、兄に「カルピス持ってきて」と頼んでもいいんじゃないかと思います。仮に第12話の、はしゃいでいるようにも、兄に媚びを売っているようにも見える姿が主人公の独白通り彼女の平常運転なら、兄に気を遣って率先して飲み物を用意していると解釈することは可能ですが、LINEが普及している時代にそんな露骨な男尊女卑を貫いているのは、はっきり申し上げて異常だと思います。
もうひとつは第19話、そのものズバリ、「先ほどから、瑠衣はお茶汲み係として立ち回っている」です。潤子先輩が「ありがとう、瑠衣さん。大変美味なお茶でしたわ」と発言していることから考えて、ペットボトルやそれを温めたのではなく、茶葉やティーバッグから淹れるSOS団式のようですが、瑠衣さんは主人公と同じく1年生で事情をよく知らない立場、(運動部で女子マネージャーがスポーツドリンクを用意することはあるにしても)文化系の部活で誰かがお茶汲みをする必要性は普通ない、しかも主人公は趣味感覚とはいえ茶道を習っていると来れば、この場面で瑠衣さんが「お茶汲み係」として立ち回る必然性は、「どう考えてもない」と言っても過言ではないはずです。もちろん、長話をする場面で女子生徒がみんなにお茶を配る場面を書くこと自体が悪いとは言いませんし、現実でもそういう場面はあるかもしれません。ですが、女性が「お茶汲み係」をさせられるのは身近な女性差別として最もよく知られたものの1つですから、よりにもよって「お茶汲み係」という言葉を使ってしまうのは、敵を増やすだけだと思います。もしかすると、この場面を読んで「瑠衣ちゃんはなんて気の利く子なんだ! 主人公が手を出さないなら俺が嫁にしたい!」と思う読者もいるかもしれませんし、もし岩井さんがそういう読者向けに本作を書くおつもりなら止めはしませんが、そういう人たちは果たして、女子高生がお茶汲み係を務めたくらいでその子のことを好きになってくれるのでしょうか。ともかく、100点を目指して大火傷するくらいなら、80点辺りでもそれなりに受け容れられる表現を目指すのが、作品の書籍化を目指すときの基本セオリーだと思います。
早い内にツッコミを入れておきたいことの2つ目は、谷ヶ崎先生のことです。とはいえ、この僕が、お茶汲みについて長々とお話しした後に彼女のことに触れるとなれば、こちらが言いたいことはもうお分かりだと思います。
あえてひとつだけ申し上げるなら、「女」を安売りする女性は、同性に嫌われるだけでなく、男性にも軽んじられるばかりで愛されはしないだろう、といったところですね。まあ、この辺りは既に申し上げた通り、今後の展開で変わる可能性もあるので、今の時点でこれ以上の指摘をするのはやめておこうと思います。
コメント欄を拝見しますに、他の方は「可もなく不可もなし」くらいの評価のようですが、ここまで読んだ僕としては、もう少し上の評価でも良いと思っています。突飛なことがなかなか起こらないという意味で「この作品独自の強み」がないのは確かにそうかもしれませんが、異世界モノで代わり映えしないテンプレがPVを稼いでアニメ化までされるように、水戸黄門や寅さんがいっつも同じようなことしかしないように、ベタな展開を手堅く、安定してこなせるなら、(Web小説としては)それはそれで需要があると思います。少なくとも僕は、事件らしい事件が起こる後半パートよりも、前半パートの方が好きでした。
当然、今から路線変更しろとは言いませんが、ベタな展開でも良いくらい脇役たちにも魅力がある作品なので、形はどうあれ、話として一段落するところまで持っていってほしいと思います。
長文失礼しました。このコメントは批判的な内容が長くなったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。
最後になりましたが、物語の続きを楽しみにしています。
作者からの返信
こんばんは。いつもお世話になっております<(_ _)>
コメントを拝読させていただきました。が、現在(=拝読したばっかり)としては「よし、これからバリバリ改稿するぞ!」というアバウトな目算しか立っておらず、「やる気はあるけど知恵はでない」状況です(^^;
具体的にどうこうと申し上げられないのが心苦しいのですが、あじさいさんから頂戴したアドバイスを精査させていただくことには大変意欲的であり、前向きであると言う程度のことはできるかもしれません。
今後ともよろしくお願いいたします(^ω^)