「リレイナ！　アデリーナに別の男と一緒に遊びに行くように言ったというのは本当か！？」

「なんのお話ですか？」

　曰く、アデリーナが休日にどこかへ行くというから、どこへ行くか尋ねたら、私からとある貴族と一緒に買い物に行くように言われたというのだ。

「なんてひどい姉だ。あの子にそんな悪いことをさせようだなんて！」

「勘違いなさっているようなので、申し上げますが、あの子がその方と一緒に行きたいけれど、行けないと泣くので、一度くらいはいいのではないか。と言っただけです。行けとは言ってませんわ」

「浮気を進めたことには変わりない！」

「浮気……ですか……」

　私は思わず笑ってしまった。

「何がおかしい！」

「いいえ。とにかく誤解ですので、帰ってくださいます？」

「なんだと！」

　怒鳴るウィリアムをなんとか帰らせて、私はまたため息を吐いた。

　――そろそろ疲れてきました。でもそろそろ終わりかしら。

　私の予想はもちろん、またまた的中した。

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