第10話
~半年前、霧夜side~
「ふう、三ヶ月ぶりの地球か。ネシアラも良いが、やっぱりこっちの食い物が恋しくなるな。なあ、皆。・・・ん?(何だ?)」
「うん、そうじゃな!あちらも随分と発展をしてきてはいるが、地球に比べればまだまだじゃからな。して、ご主人よ何か問題か?」
そう霧夜の問いに答える長身の美女。彼女の名は『ソラハ・グリューレ』。《人化》のスキルを使用している、ネシアラの龍族を統べる、誇り高き龍帝である。
「ん?ああ、いや何でも無い。まあ、あちらと行き来して少しずつ改善していくさ。何せどちらも『俺の物』だからな!」
そう笑いながら話す霧夜に、今度は別の女性が
「ええ、そうよ、どちらも貴方の物。私の旦那様の物。私達『霧夜ファミリー』の至高の
そう笑みを浮かべ、小柄な美少女にも見える女性だが、身に纏う妖艶さと、ゴシックな服装と相まって只者ではない雰囲気を醸し出す彼女は『クリエ・ローレン』の名を持つ『始祖の吸血鬼』の女王。
その他にも4人の女性がいる。
ネシアラの獣人族の中でも、他の追随を許さぬ、身体能力の高さと俊敏性を誇る、猫獣人族の快活な美少女『メル・キャロル』。
《聖女》のジョブを持ち、かつての学園のアイドルであり、たわわな胸と誰もが虜になる笑顔を持つ美女『橘恭子』。
《賢者》のジョブを持ち、眼鏡を掛けており、その道の猛者なら、その少し冷たい目つきで蔑みながら踏んで下さい!と土下座をするであろうクールビューティー『園田茉梨花』。
魔族であり、夢の中に入り、男の精を搾取する、サキュバスの『リリィ・ロリエル』。庇護欲を誘う可愛らしい顔と、少し控えめな性格を持つ。
そして、リリィ以外の女性は、赤子を抱いていたり、幼児の手を引いている。
この他にも、今はネシアラに里帰りをしている海神族の女性、いわゆる人魚の『アメリ・レイン』とその子供がいる。
霧夜本人と伴侶が7人、その子供が6人の計14名が『霧夜ファミリー』となる。
かつて霧夜達は、集団でネシアラに転移をし過ごす中で、邪神達の存在を知り、現地人であるソラハ、クリエ、メル、アメリ達と共にそれを打ち破る。
そして時空間魔法を使用し座標を探し当て、かつての地球までの、転移ゲートを繋げ帰還した。
ちなみにリリィは、2度目にネシアラへ行ったときに、モンスターに追われているのを助けたテンプレである。
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