第75話 突入前に戦闘に参加するメンバーを選択してください
獅子柄班に続き、柏森先輩たちの班も突入し。
いよいよ、私たち最川班も異界域に侵入する時刻が近づいてきた。
消費する召喚力の事を考えてエデンには一度盟友界へ帰ってもらい、ここから先は一先ず残ったティアと共に行動していく事になる。
学園内や車で移動していた時のように、召喚力を気にしないでいい環境下ではいくらでも仲間を喚んでおけるからエデンにも出てきてもらっていたけど、異界域の中ではそうはいかない。
「ミサキー、がんばろーなー」
覚醒したことで姿形が変化しただけではなく、人の言葉を喋れるようになったティアが拳を突き上げ私を鼓舞してくれた。
「がんばろうね、ティア」
先輩たちから教わった情報によると、デモンやセインは基本的に明確な弱点を一つ以上持っているらしい。
例えばティアのようにスライム属性のデモンは、物理攻撃全般に強い代わりに火や雷などの魔法攻撃にはめっぽう弱い場合が多く。
ティアは自分で水を操っているので氷や水には耐性があるかもしれないが、それ以外の属性魔法には気を付けなくてはならない。
契約する仲間の情報は、その仲間との絆が深ければ深いほどマスターに開示されるらしく。
私はまだ、ティアやエデンがどんな耐性を持っていて何を弱点としているのかすら把握しきれていない。
(私がもっとティアのことを理解してあげられれば、対策も立てやすいんだけどな…)
「メーメー、がんばるーなー」
「惜しいにゃ…一文字違うだけで意味が大きく変わってくるのにゃ…」
「がんばったなー? 」
「まだ何もやって無いのにゃ! 」
「ふふっ」
(それでも、これまでの訓練で分かったことはちゃんと記録してあるし…マスターとして最低限、戦いをサポートすることくらいは出来るはず…! )
ティアが使えるようになった技の効果や範囲、そこから戦闘を有利に運んでいく展開の仕方など私なりに毎日研究を重ねてきた。
(あとはこれを、実際の戦いでどう生かすかだよね…)
「ミサちゃん」
「出発の時間だにゃ」
「いこーミサキー」
「うん、行こうっ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。