第19話マルガレーテの兄
相変わらず僕は魔法が使えない、どうにかしなくちゃでもどうすればいいんだろう?
学校帰りにヴァーグナーたちに相談しながらの事。
「モモかグリン、僕に魔法を教えては貰えないでしょうか?」
「あら〜私は魔法の得意な家系で子どもの頃から出来ただけで人に教えるのは苦手かしら〜」
「おや〜ボクも自然と身に付いたものだからねお役に立てずすまないかな〜」
「クリスは神聖魔法なら使えるよ?……にゃははは」
「ファースト君は初級の魔法から出来ないのだから、ここは僕ヴァーグナーめが……」
「いやっ僕はモモかグリンに暗黒魔法を教わりたかったんです、多分精霊魔法や神聖魔法は使えないでしょうし」
「なるほどグリンは兎も角モモなら暗黒魔法も使えそうですねェ」
「おや〜ボクは兎も角とはどういう意味かな〜ヴァーグナーよりは魔法得意なんだけど、確かに暗黒魔法は使えないけども」
「あら〜私も一見使えそうに見えるかもだけど使えないかしら〜」
とか話してるところで知らない人に声をかけられた。
「キミがファーストかい?」
「そうですけど、どちら様でしょうか?」
「私はマルガレーテの兄のヴァレンティンという者だ」
「リタのお兄さん!初めまして僕は不破明日斗、リタの婚約者です、よろしくお願いします」
「これはご丁寧に……と言いたいところだが、キミは魔法学科にもかかわらず魔法が使えないそうじゃないか、言葉は悪いが落ちこぼれ、そんな奴にリタはやれんな!」
リタと僕がお互い愛し合って婚約者で居るのだから、今まで何も問題はないと思ってたが、まさかリタの身内から反対されるなんて。
そういえば転生からこっちバタバタしてて、リタの家族にも挨拶してなかったな。
家に帰ってリタにヴァレンティンの事を話してみた。
「兄の言うことは気にせずとも良い、ウチは敬虔な聖神教徒で皆、堅物ばかりなのだファーストと私が愛し合っていればそれで良いではないか」
あ〜それでリタも堅物なんですね……とは言いませんでしたが、ヴァレンティンの事だけではなくやはり魔法は何とかしなくてはならない。
部屋に戻り、いやいやながらLphoneを開き、メフィストチャンネルが更新されてないか確かめる。
軽快な音楽と共にLphoneの画面にメフィストフェレスが映し出される。
「メフィストチャンネルへようこそ!待ってましたよ明日斗君、と言ってももちろん録画ですけど、魔法が使えなくてお困りのようですね、でも吾輩は当たり前のように魔法なんて使えてしまうので、明日斗君の悩みは解りかねるのであ〜るよ……とだけ言うのも不親切なのでもうすぐ魔女の祭典、ワルプルギスの夜が開催されますそこで同じ人間の魔女たちに聞いてみると何か解るかもであ〜るよ、ではまた次回お会いしましょう!」
ワルプルギスの夜というと凶悪な魔女が襲って来る夜……ではなくて魔女たちのお祭り。
まあ昔の人からしたら邪悪な魔女が集まって、何やら怪しげな事をする忌まわしい出来事だったのだろうが。
そこに行けば何か掴めるのか、僕がまた魔法を使えるようになるのか今はメフィストを信じてみるしかないか。
僕は学校を休学し、リタたちに魔法の修行に行ってくると告げた、ワルプルギスの夜に行くのは内緒である。
「パパ〜居なくなっちゃうの〜いつ戻るの〜……」
「クリスが良い子にしてたら直ぐだよ、僕が留守の間ママの事は頼んだよ」
「解かりた!」
クリスは本当に解っているのだろうか不安だ、が後になってクリスが1番よく何かを解っていたという事は、この時の僕には知る由もなかった。
「リタは言うまでもありませんね僕なんかよりしっかりしてますから、でも寂しい想いさせてしまうんじゃないかは心配です」
「まあ寂しいのは寂しいが、成長する為であろう?しっかり学んでこい」
こうして僕は魔女の祭典、ワルプルギスの夜に向かったのであった。
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