第11話クリスティーナ

 目が覚めると腰まであるプラチナブロンドの10歳くらいの裸の女の子が居て、僕のことをパパと呼んで……それで。


 リタに女の子に服を着せるように頼んで、部屋に1人になってようやく落ち着いてきた。

 女の子の言う僕がパパだというのを本当の事だと仮定して、後からそれに理由付けしてみると……


「ファースト!服は着せたぞ!さぁどういうことか説明してもらおうかこの子は一体誰でキミとはどういう関係だ」


「リタ落ち着いて聞いてくださいね、おそらくその子は僕がせ、精通を迎えたのと多分足りない材料は僕の魔力で産まれたホムンクルスです」


「パパ……ホムンクルス?……」


「なんだかよく解らんが兎に角ファースト、キミの子供なんだなそれならばよし!」


「えっいいんだ」


「キミの子供と言うことは私の子供でもあると言うこと、子供の1人や2人養っていく甲斐性くらいはある!」


「やだリタ、頼もしいステキ」


「パパ……名前付けて……」


「そうだね名前付けてあげなきゃねホムンクルスで……クルスだと悪魔の名前だしクリスかなうんっクリスティーナでクリス」


「うむ、よい名だクリスティーナかクリス今日から私がキミのママだ、存分に甘えてくれても良いぞしかし躾は厳しく行くがな」


「クリス……私の名前?……」


「そうだよクリス、そして僕がパパ不破明日斗そっちがママのリタ、歳は10くらいかまあ10歳で誕生日は今日」


「私はクリス……パパファースト……ママリタ……誕生日は今日……」


「はいよく出来ました。ファースト、子供ってのは可愛いものだな。それと精通を迎えたとの事でお祝いしなければならないかな?」


「いやいや精通のお祝いとかあまり聞きませんし、それより今はクリスの事をどうするかです」


「どうするもこうするも私とファーストは婚約者なのだし、早かれ遅かれ子供なども出来たであろうちょうど精通も迎えた事だしな、あっ」


 リタの顔が紅くなる、多分僕と同じ事を考えていると思われ、僕の顔も紅くなってるかもしれない今夜2人目のホムンクルスが産まれないと良いけど。


 それにしてもこんな事になったのは、ヴァーグナーのやつがおかしな事を僕に吹き込んだせいで……子供が産まれた事をそんな風にいうのは倫理観的に問題ありだな、ヴァーグナーのおかげだと考えよう。


 クリスは言葉は話せるみたいだけどまだ産まれたばかりで何も知らないようだと言う事で、僕と一緒に学校に通う事になった。


 当然ヴェツラー学園魔法科学科ではちょっとした騒ぎにはなったが。


「なにぃファースト君とリタさんの子供だって?で歳は10って色々計算が合わない」


「ヴァーグナー!家庭の事情ってのは色々あるもんよ深くは突っ込まない、クリスよろしくね私はロッテ」


「私の名前はクリス……パパファースト……ママリタ……誕生日は今日」


「あら〜クリスの誕生日は今日なのね、おめでたいかしら〜」


「おや〜クリスの誕生日は今日なんだ、お祝いしなきゃかな〜」


「ロッテ……優しい……」


「あらっ嬉しいこと言ってくれるわね、私のことはお姉ちゃんだと思ってくれていいわよクリス。ねっ家ではパパとママはどんな感じなの優しい?」


「パパ優しい……ママ強い……」


「ふふふっファースト君はリタさんのお尻に敷かれてるっと、いい事聞いちゃった」


「パパ……ママのおしりに敷かれてる?……」


「こら〜クリスに変なこと教えるのはやめてください!」


 まあさすがロッテではあるクリスとも直ぐに仲良くなったようで、2人が仲良くしてるのを見ているとなんか尊い……てぇてぇっていうの?


「まあ兎に角今日はみんなでクリスの誕生日祝いに街に繰り出そうではないか、いいだろファースト君?」


「ありがとうヴァーグナー、そうですねクリスの社会勉強も兼ねてみんなが良ければ」


 そうして放課後、みんなで街へ向かったのであった。

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