旅での出会い
目が覚めると見慣れぬ天井が広がっていた。ここは一体何処なんだろうと思っている
「あっ、起きたんですね!」
不意に声をかけられそちらを見てみるとそこには1人の男の子がいた。歳は同じぐらいかな……?背丈も同じくらいだし……。
彼は水色の長い髪をしており瞳の色は青紫色になっている。まるでサファイアのような綺麗な目をしていた。
身につけているのは白を基調としたドレスのような服なのだが袖が長く手の甲まで隠れていてあまり見えないようになっている。
スカート部分は膝上で短くなっておりそこから覗かせる脚はとても細くて美しい。
その少年の顔立ちは非常に整っていて中性的であり美形といっても過言ではないレベルだと思う。
体つきも華奢なので一見女の子のように見えなくもないがちゃんと男性器も付いているし胸も膨らんでいない。
そういえば僕はあの時男たちに乱暴されそうになってたはずだ。この部屋は何なんだ。ベッドと古びた机があるだけで他には何も無い殺風景な空間だ。
窓もないし扉も鉄製のものしかない。
とりあえず起き上がってみるも体に痛みはなく特に異常はないようだ。
そうこうしているうちにその彼が水を持って来てくれてそれを飲ませてくれると体の調子が良くなってきた気がする。
そうしてようやく落ち着いてきた頃、改めて自己紹介をすることになった。
まず僕の名前はユイト。年齢は15歳で中学3年生。誕生日はまだ迎えていないから14歳のはず。
好きなものは甘いもの全般と可愛いものとイケメン。嫌いなものは特になし。そんな感じのことを彼に伝えた。
「えっと……私はユウトです。一応男ですよ。」
彼は自分のことを男だと伝えてきた。
一人称も私と言っているし見た目もどちらかといえば女っぽいけど僕は最初っから気付いてた。
「気づいてたよ」
「あ、え?ほんとですか??」
僕の答えを聞いて驚いた表情を見せる。
まぁ普通は驚くよね。
それにしてもやっぱり可愛い。
そんなことを考えながら彼を見ていると視線に気付いたのか頬を赤く染め照れ臭そうな顔をしていた。
その仕草もまた可愛くて思わず抱きしめたくなってしまう。
すると突然部屋の外から足音が聞こえてくる。
そして勢いよくドアが開かれるとそこにいたのは先程の青年だった。
「おい!大丈夫か!?」
彼は僕たちの姿を見るなり慌てて駆け寄ってくる。
僕は彼にお礼を言うべく声をかけようとするが、それより先に彼が口を開いた。
彼の名前はリクというらしい。歳は18歳とのことだ。
それからしばらく話をしているとどうやらここは冒険者ギルドの寮らしい。普段はここで寝泊まりしながら依頼をこなしているそうだ。
「さっきの男達はお前を狙って襲ってきたんだぞ。」
「狙うってどういうことですか??まさか……」
嫌な予感しかしないんだけど……。
「あぁ、あいつらはいわゆる強姦魔と呼ばれる奴らだな。しかもかなり手慣れてる様子だったぜ。俺がたまたま通りかかったから良かったものの下手したら今ごろお前さん犯されてたかもしれねぇな。」
「そっか……助けてくれたんですね。ありがとうございます!」
「おう!気にすんなって!困った時はお互い様だからな!ちなみに俺はお前と同じ歳だが敬語なんて使わなくていいから気軽に話してくれて構わないからな。」
「うん。わかった。じゃあそっちも僕に対してタメ語で喋ってくれると嬉しいな。あと名前も呼び捨てで呼んで欲しいな……。その方が距離が近くなったみたいで良いと思うし。」
そういうとリクは少し考えて
「そういやまだ名乗っていなかったな。リクだ。よろしくな。」
と返してくれた。
それからしばらく会話をしているとリクはどうやらこの街に住んでいるらしい。なのでまた何かあったら助けに来ると言ってくれた。
「ところでこれからどうするんだ?行くあてはあるのか?」
と聞かれたので正直に無いと答えておいた。
すると
「それなら俺と一緒に冒険者にでもならないか?ちょうど今日登録してきたばかりなんだが1人仲間を増やしておきたいと思っていたところなんだ。どうだろう?」
「是非お願いします!」
即答してしまった。だってこの世界に来て初めて出会った人がこんなにも優しくしてくれるんだよ?断る理由がないよね。
「そう言ってくれると思ったぜ。よし決まりだな。」
こうして僕はリクの冒険者パーティに入ることになった。
逆ハーレム異世界転生物語 カラサエラ @3cutter_4cats
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。逆ハーレム異世界転生物語の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます