第2話 先輩と部室

 そして、俺は先輩と別れ、今日から自分が所属するクラスに向かった。


 ただでさえ広い学校内を道に迷わないように、入学案内のパンフレットを見ながら校内を歩き続けた。そして、やっとのことで、自分のクラスに着いた。


「1年E組、ここがこれから僕が学校生活を送る教室か。」

 

 と言い、僕は、教室に扉を開けて教室の中に入り、「おはよう」

と言い、教室の黒板に貼っている座席表を見て、自分の席に着いた。


 僕は自分の席に座り、鞄とぬいぐるみの入った袋をそれぞれ机の両側に掛けた。


 今日から、一緒に生活をしていく同級生にあまり話しかけられずに、ホームルームの時間になってしまった。


 そして、ホームルームが終わり、入学式が始まる体育館に向かった。入学式が始まり、校長先生の話が終わった。毎回思うんだが、校長先生の話はいつも異様に長いなぁと。

 

 そして、その後に生徒会長の話に入り、その次に新入生送辞があり、入学式のもろもろが終わり、最後の新入生退場になり、入学式は終わった。


 そして、帰りのホームルームになり、連絡事項や明日から持ってくるものなどが担任の先生に告げられ、ホームルームは、終了した。自己紹介などは、明日のホームルームでやると担任は言い、職員室に戻っていった。


 そして、僕は帰りの支度を始めて、朝、先輩がパンフレットに丸を付けてくれた場所に向かうことにした。ただただ、だだっ広い本校舎の中をぐるぐると歩いていき、やっとの思いで目的地に着いた。「手芸・裁縫部」と書かれたプレートを見て僕は、扉を開け、中に入った。


 その部室に入ると、縫野先輩が、畳に座って待っていた。


「こんにちは、ゆうくん、久しぶり。手芸・裁縫部へようこそ!」

「こんにちは、縫野さん。お久しぶりです。どうしたんですか?朝に、『お礼がしたいから、ここに来て』と言われたのできたのですが。」

 と、言い僕は、部室に入ることにした。

それはそうと、なぜ先輩が僕をユウくん呼びしているのかというと、中学校の時に同じ部活に入っていて、そこから徐々にこのあだ名で呼ばれるようになった。ということだ。


そして、僕は先輩が座っている畳に向かい合うようにして座り、僕は縫野先輩と話し始めた。


「縫野さん、お礼なんていいですよ。僕はただ、あの子が落ちていた時の目が元の

持ち主のところに戻りたいという目をしてたのであの子をその人のところに戻してあげたいと思ってあの子の持ち主を探していただけですから。別に、お礼なんていいんですよ。」


「けど、それじゃぁ、私の気が収まらないですよ。ですから、何かお礼をさせてください!」


と、先輩は、言いなかなか引き下がってくれなかった。本当に下心なんてなくて、お礼なんてもらう気はなかった。だが、それだと先輩の気が収まらないらしいので、「それじゃぁ」と言い僕は言葉を続けた。


「それじゃぁ、校内にある自動販売機でジュース、奢ってください。」


「そのくらいでいいの?もっと、、、違うことを頼まれると思ったのだけど。」


「はい!そのくらいのことでいいんです。ジュースを奢ってくださるだけで。」

「もしかして、先輩、もっと別のことを考えていました?」


「うんうん、全然考えていないよ⁉」と先輩は首を横に振り、否定をした。


「そうなんですか。」と僕は言い、その質問をするのをやめた。


「それじゃぁ、自動販売機のところまで行こうか!」と先輩は言い、僕の手を引っ張って、僕と縫野先輩は部室を出て、自動販売機の所へ向かった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕と先輩の秘密の共有 抹焼 @KSdy69

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ