第57話 『AIアシスタント』
小説を投稿して21日目 累計PV:1359PV 残りPV:1259
これが現時点でのビジイクレイトの投稿した小説【PV稼ぎの美辞麗句】のPVである。
「……さて、天幕を買うと決めたはいいが、問題がある。どう買うか、だ」
PVを使えば、色々買えるということはわかっている『キーボードタブレット』だが、購入方法がいくつかある……というか、購入出来るモノがいくつかある。
「……一つ目は、『ゴドゾン』通販サイトのアプリを購入する方法」
1000PVを消費することで、通販サイトのアプリが手に入る。
この『ゴドゾン』が、ジイクの世界で使えていた通販アプリと一緒ならば、天幕……というか、テントを購入することも可能なはずだ。
「問題は、1PVが一円として計算される場合でも、天幕を買うのに数万PVが必要になることだ」
数億PVを稼ぐような一流ランカーなら、ポンポン購入できるかもしれないが、この小説はそこまで読んでもらえていない。
「……皆の1PVが、生活にかかっているんです。どうか、清きPVをお願いします」
誰に聞こえるでもないが、読んではもらえるのでとりあえずビジイクレイトはつぶやく。
PV
よろしくお願いします。
「……あとは、『童話アプリ』の購入だな」
テントというか、屋根のある場所の確保となると、この『キーボードタブレット』のアプリ一覧にある『童話アプリ』を購入すれば、問題は解決する可能性が高い。
「ただ、この『童話アプリ』が、俺が思っている効果なのか、だな」
100PVを消費して購入するアプリだ。
ただ『童話』が読めるだけとは考えにくい。
おそらくは、『童話』に応じた能力やアイテムが手に入るはずなのだ。
しかし、確証はない。
無駄に100PVを消費する可能性もある。
「……やっぱり、まず買うべきはこれだな……」
PVを消費して何か買えると知ったときから、考慮していた内容を再度検討し、ビジイクレイトは最初に買うアプリを決める。
「『AIアシスタント』」
アプリの枠に、大きく『オススメ!』と記載されているアプリである。
おそらくは、『○○について教えて』と聞けば、答えてくれるようなアプリだ。
「これも購入に100PVかかるが……必要経費、か?」
あまり大したアプリじゃなくても、問題はない。
いや、ある。100PVはデカい。大したアプリであってほしい。
しかし、今後の方針を決めるためにも、役に立つ可能性は高い。
購入を決め、『100PVを消費して『AIアシスタント』を購入しますか? はい/いいえ』という画面の前で、ビジイクレイトの指が震える。
100PVは、本当に大きいのだ。
たぶん、価値で言えば100万円を超えている。(ビジイクレイトレートでは)
100PVのためならば、何でもするという作家もWEB作家も多いはずだ。
軽々しく買えるような金額……もといPVではないのだ。
「く……うう……うおおお! 買う! ぞ!」
目を閉じ、何度か躊躇ったあと、ビジイクレイトは『AIアシスタント』を購入しますか? はい/いいえ』の『はい』を選ぶ。
すると、『キーボードタブレット』が光った。
「ま……」
「眩しい……!」
ビジイクレイトが眩しいと言う前に、別の声が聞こえてきた。
聞こえたのは、ビジイクレイトの右肩である。
そちらを見てみると、手のひらよりも小さな……豆本のような物体が肩に乗っていた。
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