第5話
オレオレの元彼と復縁してしまった。
彼Yとは、地元のファミレスでバイトしている時に知り合った。
そう、第3話にも出て来たあの店だ。
誤解のないように書いておくが、あのKと
サヨナラした後の事だ。
決して二股ではない。
Yは地元の仲間達とよくつるんで来ていた。
男4人衆、いつも楽しそうにしていた。
同年齢という事もあり、そのグループと自然と仲良くなっていった。
その中の一人が単独で来るようになりカウンターに座っている事が増えて来た。
彼B君は運送業をしており、時間が自由だから来てるのかな? っと思っていた。
一人で来るようになってから暫くすると
「付き合ってる人はいるの?」
エッ? もしかして‥
決して嫌いではないが正直なとこ、彼より
仲間のYに好意を抱いていた私は答えに困ってしまった。
いないと言えば告白される。
でも、いると言えばYにも伝わる。
変な打算が瞬時に頭をよぎってしまった。
考えた末、いないけど好きな人はいる、と答えてみた。
Yには同い年の彼女がいる事を知っていたが
心の何処かで別れないかな‥と望んでいた。
そうしたら積極的な態度を取るのに、って。
B君に答えた数日後、今度はYが一人で店に
やって来た。
「Bから聞いたよ。好きな人がいるんだって?」
「もしかして俺だったりする?」
と笑顔で聞いて来た。
何と自信過剰な奴だと思ったけど、ビンゴ!
何となく悔しくて 「は〜?」
「ちなみに俺は好きだから」
「彼女と別れるから、付き合わない?」
もう、ニヤニヤ顔が止まらない私は
「ふ〜ん、そうなんだ。別にいいよ」
などど言ってみたりした。
晴れて彼女と彼氏の間柄になったわけだが、
さすがにB君のことがあるので少し気がひけた。
Yは東洋大のラグビー部に所属しており
埼玉の寮に住んでいた。
車を走らせ,何度通った事か。
逢いたいから来て。ではなく、
「逢いたいでしょ?おいで。」が口癖。
常に上から目線だったが、今までにいないタイプの態度に新鮮な感情が勝っていた。
口髭を生やした彼はワイルドで、非常にモテた。
常に女子のファン達がグランドにいたが、
練習の合間には私の所に来て、
「俺の彼女。仲良くしてやって」
と、ファン達に言ってくれていた。
こういう所がまた、たまらない。
少なからず優越感に浸りながら、何時間も
練習が終わるのを待っていたものだ。
しかし、かつて私が抱いていた感情を
他の女子が抱かないわけもなく。
あの手この手でYを誘惑し、
(私は誘惑はしてない。) ついに浮気をしてしまった。
私にバレる前に自分で告白して来て
体だけだからと土下座をして来た。
オレオレの土下座は見たくなかった。
ま、モテる男の彼女というのは仕方ないのか、
と1回だけならと許した。
数ヶ月後、2回目発覚。
はい、もう終わり。疲れました。
埼玉の寮から車を飛ばし、何度も家の近くで
待ってるYがいたが、もう復縁する事はない。
同じ事を繰り返すのは、目に見えているから。
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