たべもの日記 柿の種とマシュマロの

のこもこ

簡単チョコ ザクザクねちねち食感

 母が好きなチョコレート屋さんが、港区の白金台にある。


 ミントブルーのお店の商品を、一時あれこれ買ってきていたらしいが、


「エリカのお菓子で、好きなものはやっぱりこれ。」


 と、くるみとマシュマロが入っているミルクチョコレートのかたまりに落ち着いた。



 かたまりをまな板に置いて、好きな薄さに切って食べる。

 切る前にナイフを温めたりするべきなのだろうが、我が家はそういう丁寧な事はしないので、構わず切る。


 すると、チョコレートが小さく飛び散る…。大量に…。


 飛び散るチョコを指につけてチマチマと食べるのは私の役目。


 美味しい。


 毎回、ミニサイズを買ってくるのだが、我が家にはそれでも結構大きい。




 でもある時期から、私は『くるみ』アレルギーになってしまい、このチョコレートが食べられなくなった。

 くるみパウダーくらいなら大丈夫だが、固形のくるみは症状が出てしまう。



 この美味しいチョコレートのかたまりも、大好きだったトップスのチョコレートケーキも食べられなくなり…。


 どちらも最初はくるみを避けて食べていたが、なんとも汚ならしい…。


 目の前の母が、フム…。と言った表情で笑った。

「お店の方にも、あなたにも…、なんだかよくないわね…。」


 我が家のテーブルには、くるみとマシュマロが入ったチョコレートの塊も、あの綺麗な葉っぱのデザインのケーキも、のらなくなった。


 あのチョコレートケーキの美しさは、果物いっぱいの宝石箱のようなケーキよりも私には魅力的で…。


 話がそれた。


 トップスのケーキについてはまた今度にしよう…。



 とにかく、くるみを食べられなくなった小さな私に、母がチョコレートを作ってくれることになった。


 と言っても、お菓子もめったに作らない母。


 と私。


 計りも持っていない。

 目分量で作れるお菓子はあまりない。


 が、大丈夫です。

 とっても簡単。


 そしてとっても美味しい。



【材料】


 ①ミルクチョコレート

 スーパーマーケットで売っている一枚百円程度の板チョコを箱で買ってきた。


 ②柿の種


 ③マシュマロ


 ◆一口サイズのチョコカップ

 百円ショップに売ってるアルミの小さなカップ(使い捨て)


 ◆耐熱性のボウル


 ◆小さなスプーン


 ◆鍋(湯煎用)



 何も計らなくていい。


 うちは、電子レンジでチョコを溶かそうとして失敗したので(ただ苦くてかたいものが出来上がった。)湯煎で溶かしますが、電子レンジで上手に溶かせるなら鍋はいらない。



【作り方】


 ミルクチョコレートを大量に湯煎にかける。

 小さな型にマシュマロと柿の種をどっさり入れる。

 チョコレートを流し込む。

 冷蔵庫で放置して固める。

 食べる。


 ものすごく簡単だ。


 でもこれがとっても美味しい。


 もともと、柿の種がチョコレートでコーティングされたものも大好きだし、ミルクチョコレートの中にマシュマロが入っているものも大好きだ。


 柿の種の塩気にザクザクとした食感、マシュマロのねちっとした食感。


 素朴なミルクチョコレートととっても合う。


 簡単でしかも美味しくて、材料もどれも手に入れやすい。


 アレルギーのある私は、食べ物に関しては、家族の手作りとプロの手作り以外は抵抗があるので、人にも手作りの物を渡すことはしないが、


「気持ち悪くなければ食べてみて。でも、一応材料と作り方を書いたので、自分で作った方が美味しいかも…。」


 と、恐る恐る何人かの友人に渡したところ、私のように抵抗のある人は少ないのか、気を遣わせてしまったのかはわからないが、普段はお土産を渡してもスンとしているような友人からも後日談が寄せられた。


「何あれ、すごく美味しい!ありそうでなかった食感で気に入った。私は全然気持ち悪くないから作ったらまた頂戴。大きいのも小さいのもどっちもよかった。なんなら材料費払うから。」

 ――おおっ、いつも美味しいお店に連れていってくれるあなたにそんなに気に入って頂けるとは…。


「もっと詳しい作り方を知りたい。」

 ――いや…。作り方は、渡してあるもの以外には無いくらい簡単なんだけど…。


「私ね。親戚の子達と手作りのバレンタインチョコの交換をすることにしてるのよ…。友チョコの延長みたいな感じで…。年々面倒くさくなって、でもやめるにやめられなくて、毎年親戚が送ってくれるピーナッツをどっさり入れたチョコレートとかブラウニーを渡してたんだけど、その中に一人、軽めのピーナッツアレルギーの子がいて…。その子ものこもこちゃんと同じで固形のピーナッツだけダメなんだって。その子だけ毎年どうしようか困ってたけど、次からは全員これにする!みんなを家に呼んでこれを作るわ。みんなで手作りすればラッピングしないで済むし…。何が面倒ってラッピングが面倒なの。だから自分で好きなだけラッピングしてお土産に持って帰って貰うわ。簡単なのに美味しいから本当にいい。」

 ――おお~。これで何人かにはこの美味しさが毎年伝わるぞ!簡単だから、その子達も作ってくれたらどんどん広がる!



 私は、お菓子用の特別な道具を何も持っていないので多少モタモタするけれど、とにかくミルクチョコレートと柿の種とマシュマロの組み合わせが美味しいので、私が作ってもなんとか美味しく出来上がる。



 作ってみようかなと思ってくださる方がいたとして…。

 私くらいのレベルの方へアドバイスするとすれば…。


 ❶冷蔵庫に入る大きさのトレイや箱の蓋に、容器となるチョコカップを並べること。


 とにかくたくさん作るぞ!と、欲張って大きなトレイにカップを大量にのせて、いざ冷蔵庫に…。

「キャーッ!入らない~。」となったことがあります。

 大きなトレイから小さなトレイに移すときに、チョコカップからチョコが溢れて泣きたくなりました。


(お菓子作りが得意な方には不要なアドバイスだと思いますが…。)


 ❷チョコカップに、溶かしたチョコを少しだけ入れてから柿の種やマシュマロを入れるとよい。

(カップからはずしたときに底の部分の見た目がよくなる。)



 マシュマロと柿の種がたくさん入っていた方がいいな~。と入れすぎるとチョコがカップから溢れます。


 私はテーブルで作業するので、材料を全部入れ終わったら、テーブルをドンドン叩いて空気を抜くのですが、やらなくてもいいと思う…。

 やりすぎると叱られるし…。




 冷蔵庫から一つずつ取り出して口に入れる簡単おやつとしてしばらく楽しめます。


 作る時、一口サイズのチョコカップにチマチマとスプーンでチョコを入れるのが面倒になって…。大きな型で作ったこともありますが、食べるときにすごく面倒でした。


 味は美味しいけど…。


 作る時に楽をするか、食べるときに楽をするか…。


 私は食べるときに楽をする方を選んでます。



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たべもの日記 柿の種とマシュマロの のこもこ @ajisai616

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