『平和の鐘』設定資料集Ver2.7

最終章を前に全体的なおさらいをします。Ver1.0は、更新通知が行かなくなると言う現象が出てしまったため、非公開になっています。最終章までに随時更新、バージョンアップしていきます。


○世界観

 ・(一応)架空の国、米帝が舞台。

 ・時は90年、冷戦崩壊間近。史実をベースにしている。

 ・PCはあるけれども、持ってる人は少ない。超大型OS誕生前ゆえ、マニアがPC通信をしている程度。クソでかフロッピーが主流。携帯電話も同じく。あるけれども、持ってる人は少ない。





○ストーリー構成

 ・タロットカード大アルカナをモチーフとしている

 ・プロローグを除く、エピソード数は全22

 ・大まかにオムニバス形式を取っている。エピソードごとに一応区切られられている(一部例外あり)。幹となるストーリーは「月の嘆き」より展開。





○登場人物

 

 キング・トート:本作主人公。15歳。両親を殺害し、死神の身体を乗っ取った少年。アルビノと形容される事が多かった。白髪に近いプラチナブロンド、サファイアブルーの瞳。死神を乗っ取る際に、片目を差し出している。その時の眼球が、鬼太郎の親父みたいな動きをする。非常に聡明。

 当初、ミステリアスな面が目立ったのは生育歴によるもの。クロエと再会するまでは、学校に通うのが一番の夢であった。死神の器として作られた子供であった事とヨシュアとは兄弟である事が明らかになっており、完全に対立している。背負わされている運命が激重。

 

 

(主人公サイド)

 エマ・ハイネマン:「審判の日」より登場。ヘッゲルの実娘。その生い立ちから父を憎んでいた。キングとヘッゲルの取引により、父を殺害。かつてのエマとしての記憶を全て失い、ただのエマとしてキング邸のメイドをしていた。キングの良き理解者。


 フランツ・デューラー:「運命の輪」より登場。ヘッゲルの実弟。身勝手で冷徹であった兄とは違い、実直な性格。やり手のビジネスマンらしい強かさを持つ。キングとエマによってヘッゲルが死亡した事を知らない。


 ルビー:第三章より登場。ポーランドの屋敷(孤児院)。施設長。エマと同じ長崎にあるセツコの施設で育った。聡明で活発な女性。とある一件で、キングに対して反発を抱くようになる。





(トロイメンバー)

 レイラ:「女教皇の憂鬱」より登場。傭兵部門トロイの幹部だった。18歳。黒く長い髪と、黒い瞳が特徴。もう一体のブラックダイアモンド。現在は、片目をジョージの生家に隠している。

 クロエの実姉だが、彼女が生まれる前に売られてしまったため面識はない。ナイフを使った戦闘を得意とする。現実主義者。口調のキツさが目立つが、優しい性格をしている。キングの過去を最もよく知る人物。トロイのボスの愛人であった。カインの子を妊娠中。


 カイン:「甘い節制」より登場。レイラと同じ、洗脳が入らないアダムの子。18歳。金色の瞳と褐色肌の美少年。傭兵部門トロイの幹部だった。

 その場にあるものを武器にした戦闘が得意。当初は少年らしい未熟さが目立った。ヨシュアから10年前に一目惚れ(?)されている。そのせいで拘束されて、滅茶苦茶な愛をぶつけられる。キング&レイラに救出されて、妊娠を知ってからは父親としての自覚が芽生えている。



(キンドリー州知事サイド)

 アンナ・キンドリー:「運命の輪」より登場。23歳。州知事の子供、二卵性双生児キンドリー兄妹の妹。盲目の美女。実際は全く血が繋がっていない。試験管で作られた子供。ブラックダイアモンドの器とされているが、果たして……?

 独特の勘の鋭さを持つ。ヨシュアから歪んだ愛情をぶつけられている筆頭格。ある意味、彼が本音を出せる唯一の相手。周囲が思っているよりも、様々な事に気づいている。キングに惹かれている。エヴァに対する憧れもあった。


 オリヴァー・キンドリー:存在自体は「運命の輪」より登場。二卵性双生児キンドリー兄妹の父。妻は居ない模様。息子のヨシュア同様、冷徹。政治には長けてる。ヨシュアを特別顧客称号者に推薦をしたのは、エヴァに対する後悔とオリヴァーなりの愛情。エヴァへの想いを吐露する場面も。

 


(キーパーソン)

 エヴァ:キングの母。当初より登場。既にキングの手で殺害されているが「星の憧憬」で過去が語られる。元アダムの子で偶像の血液で実験をされていた。ジョージを除く、唯一の実験成功体。故に、作品を通してずーっと名前が出てくる。その美しい外見は、キングおよびヨシュアに遺伝した。また、偶像やエヴァ聖母像が容姿を模している。偶像が固執しているが、理由はまだ明らかになっていない。


 クロエ:「月の嘆き」より登場。黒い瞳が特徴的な少女。6歳。彼女が持つ瞳はブラックダイアモンドと呼ばれ、イブの庭が狙っている。本人は洗脳状態であった。キングを拒絶している時期があった。ジョージを本当の父親として慕っている。本作におけるトリックスター。頑固で気が強く、発言は火の玉ストレート。


 セツコ・モリシタ:「死神の罪悪感」より登場。クロエを匿うナガサキにある施設の長。エマが戦後日本に渡り、この施設で育っている。ノブヒコ・モリシタとは年の離れた姉。先の世界大戦まで特別顧客をやっていた。死神能力の一部譲渡者。非常にロックで元気なお婆さんだが80代後半。



(モリシタ家)

 ノブヒコ・モリシタ:ジョージの父。10年前に自死。表の姿は医師。本業はプロジェクト・エデンの責任者であった。エヴァの一件以来、実験には消極的になっていったものと思われる。ブラックダイアモンドとの因縁が一番深い。

 

 ヒサエ・モリシタ:ジョージの母。ジョージ主観では、一家離散の元凶とされているがそうではない。夫の本業を知ってしまったのが発端。娘を治せるだろうと夫に掛け合うも、相手にされず。その積み重ねで心を病んでしまった。

 

 ユカリ・モリシタ:ジョージの姉。盲目。レイラにより殺害されている。

 

(その他)

 ブラック&ホワイト:州警察の刑事。実態は中央情報局。ステファン大統領の指示でオリヴァー州知事司法買収疑惑を探るべく、州警察に潜入していた。


 ステファン大統領:米帝の現職大統領。ジョージの主観で語られる事が多い。オリヴァー州知事と同じ共和党。特別顧客の存在については陰謀論で済ませていたフシがある。死神化したジョージにより殺害されてしまった。持ってる情報はキングの叔父、フランツと同等かやや詳しい程度。


 7(セブン):州警察の警察官。トロイメンバー。ヨシュアのペットであり、狂信者。ヨシュアよりも背が高く、外見だけなら普通にモテる。細マッチョのイケメン。カインを異様なまでに毛嫌いしている。戦闘力だけで言えば、トロイトップクラス。


 眼鏡のマシュー:キングの親友。死神だと知っている数少ない一人。ハイスクール銃乱射事件以来、死神キングに対して腹に一物あったのを隠していた。アンナの兄であるヨシュアを善人だと思い込んでいる。ぽっちゃりしている。現在は、キングに記憶を奪われポーランドの屋敷でただのマシューとして、生活している。


 ノーマン&レベッカ:「隠者の秘密」で登場。その後、第二章のハイスクール銃乱射事件編でも再登場した。現在は、ヨシュアの部下。ノーマンの方がマトモ。レベッカは、廃人になったノーマンが大好きと言っていた。が、何故か被害者ムーブをぶちかましてキングを逆恨み。ヨシュアもレベッカの方が扱いやすい模様。


 ノース:ソビエトの特別顧客。赤い鼻が特徴。現在は特別顧客を剥奪され、粛正対象として身を隠している。



(死神)

 魔術師:「魔術師の誘惑」より登場。人間界に存在する、死神の一人。本作品のキーマンでもある。ヨシュア・キンドリーと契約していた。アンナを愛してしまった事、ヨシュアの本質を見抜いた事から契約を反故に。また寿命もあり、能力をキングに譲渡した。過去を改ざんする能力を持つ。使用には自身の身体を取引に使わなければならない。洗脳解除も能力所以の力。

 

 偶像:「星の憧憬」より登場。人間界に存在する、死神の一人。イブの庭の聖母エヴァとも呼ばれている。多くの禍根を振りまき倒している存在。この作品世界の元凶とも言える。血に関する能力者。エヴァに固執しているが、理由は不明。プロジェクトエデンは、偶像が人間を操り始めたもの。狡猾で死神らしい死神。


 プルト:「死神の罪悪感」より登場。魔術師の弟。無邪気で子供っぽい性格の割にはプルトニウムにまつわる能力を持つため、現在は能力制限がかけられている。ロリータファッションが大好きな男の娘。イチモツは立派。


 アーキテクチャ、別名エンマ:最終章で登場。死神界の頂点。




(キングと対立)

 ジョージ・モリシタ:本作「吊るされた男」エピソード主人公。本作において、最重要キーマンを担う。かつてソビエト組織からそそのかされ、大統領暗殺を目論んでいた。父親が過去に行っていた人体実験を知ってしまい、過去を思い出してしまう。しかし、父の施した洗脳は依然残ったまま。死神の器だが、失敗作であり身体が持たなかった。根は繊細で優しい。年齢の割にはおっさんくさい。クロエを誰よりも大事に想っている。28歳。



 ヨシュア・キンドリー:「運命の輪」より登場。二卵性双生児キンドリー兄妹の兄。ブルネットの長身はオリヴァー譲り。顔はキングとそっくり。非常に利己的な性格。目的の為には手段を選ばない。私情に走りがちで妙に幼稚な一面も。土壇場に強い男。キングの実兄であることが第二章で明らかになっている。死神の器としての力を一切引き継げなかった。性格は、偶像寄り。本気でカインを好きだったフシが見受けられる。バリタチ。下戸のクセしてワインを飲みたがる。最近、煙草も吸い始めた。23歳。

 




○キーワード


 洗脳:今作で最も重要なキーワード。偶像の力を用いて行われる事が殆ど。教団イブの庭の存在によって、勝手に心酔している者も多数存在する。


 特別顧客:国や人種、組織を横断していく存在であり、特定の誰かを示す呼称ではない。第一次産業革命時より存在している。情勢により異なるが、基本的に称号を持つ者は一人。現在の称号所持者はヨシュア・キンドリー。


 イブの庭:表向きはカルト教団だが、作ったのは先代の特別顧客達。特別顧客の隠れ蓑であった。立てこもり事件を起こし、現在は解体。


 アダムの子:人身売買された子たちの呼称。教団イブの庭の信徒も同じ呼称だが、人身売買の隠れ蓑として名付けられていた。キングの育った集落の子供たちは皆、何故かいなくなってしまう子供たちとして、アダムの子となっていた。集落そのものについても、第2章で結論は出ている。


 トロイ:イブの庭、傭兵部門。全員が自爆テロ兵器として訓練されている。ただし、エデンの様な虐待は行われていない。進んでテロ兵器となるよう、むしろ大事に育てて洗脳している側面が目立つ。


 エデン:イブの庭、人身売買部門。臓器移植や死神との取引に使われる事が多いため、扱いは家畜以下。


 州警察:特別顧客の持ち物。中には多数のトロイが警察官でいる。7セブンもその一人。署長の命はトロイによって管理されている。


 コミンテルン:第三インターとも呼ばれる。実在した組織。正式名称、共産主義インターナショナル。


 ルルワの末裔:ヨシュアが新たに立ち上げた組織。それまでのやり方を一新。民間人の多くが構成員となっている。プロパガンダによる国家間の分断や、暴動を扇動する役割を持つ。実際に提唱、危険視されているシャープパワーを煮詰めたような存在。


 麦角菌:幻覚剤LSDの元になった、実在する麦に生えるキノコ。強い幻覚作用を引き起こす。中世の魔女裁判の多くが、この麦角菌中毒症状によるものではないかと言われている(マジ)。


 プロジェクト・エデン:ジョージの父と先代の特別顧客が、偶像と共に行っていた人体実験の総称。研究所は現在、機能していない。作中人物の子らの多くがこの研究所と関わりを持っていた。偶像が何を最終目標としていたかはまだ明らかになっていない。最終章で明らかになります。


 ブラックダイアモンド:クロエの瞳を呼称している。その内容については特別顧客のみが知っている状態。もう一体はレイラ。中身は『人類の記憶』。偶像がノブヒコを脅して、プロジェクト・エデンに参加させる為に作った。存在が知れ渡れば奪い合いで戦争になる、非常に危険な代物。


 特異体質:死神の血を使った人体実験の成功体オウル。現存する特異体質者はキング一体と言われていた。自死したノブヒコ・モリシタが隠匿した事実により、ジョージも同じく特異体質であった事が明らかに。彼らは、死神の器とも呼ばれる。能力を回収する事によって、使用出来る。また、器は檻の役割も果たしている。失敗作のジョージは檻が上手に機能しなかった。


 トリガー:プルトの能力を全解放出来る、死神の能力一部譲渡者を指す。女性の特別顧客にのみ務める事が可能。戦後処理で降りてきた魔術師との取り決め。プルトが♂で鍵だから凸凹で♀にしようとか、戦後処理としてのけじめ的な意味合いでそうなった。


 死神の器:現在はキングとジョージの事。人間を素体として遺伝子に死神が入っている状態。死神とのハーフとも言える。器はブラックダイアモンドでもワードとして出てきている。偶像の目的は未だ不明瞭な部分あり。





○死神の能力


 ・基本的には『取引』によって行われる。特殊能力を持つ者が多い。キングが乗っ取った骸骨男は特殊能力を持っていなかった。


 ・死神は能力者が多い。キングは元々偶像の力をある程度は使えていた。命の危機があれば、覚醒していたものと思われる。死なない程度の凄まじい蹂躙だったゆえ、覚醒に至らず。本作品世界が始まった。


 ・死神は人間に能力を譲渡する事が可能。部分的な譲渡も可能。とは言っても、歴史的に数回行われたかという程度。死神は基本的に人間を信用していない。寿命をもって能力は再回収される。よって、永遠の命という取引は存在しない。


 ・死神は死神の武器でしか殺せない。武器で首を刎ねれば死ぬ。しかし、人間が武器に触る事は不可能。キングが骸骨男の武器を奪って殺せたのは、特異体質によるものだった。偶像が錬金した武器では、死神の武器が掴めてしまう。と言っても、偶像は狡猾なので。そう易々と奪われるような武器は錬金していない。


 ・死神の能力は死神が回収する。回収された能力は、特殊能力を持たない死神に割り振られる。


 ・『取引』には基本、人間の身体を用いる。より確実で強い効力を発揮出来るため。


 ・取引の誤認識:キングが主に用いる手法。人間の身体を犠牲にしなくて済む利点がある。だがその効力は、やはり身体を用いた取引からは大分劣る。範囲も限定的である。


 ・死神同士は相互不干渉である。


 ・死神は人間界の物を普通に食べる。しかし、基本的に食料を必要としない。神様だから。


 ・死神は結界を張ることが出来る。どの死神も当たり前に行っている。相互不干渉の掟があるため、結界を張られるとその場所を死神は認識が出来ない。当然、出入りも出来ない。結界を張った死神の任意で行き来出来る。魔術師がキングの結界に出入り出来たのは、彼の持つ過去改ざん能力によるもの。人間はこの範疇に入らない。普通に出入り出来る。


 ・死神には特別顧客を殺せない。人類と死神、最古の取引。特別顧客の最も大きな役割は人口を管理する事にあるため。よって、人間も特別顧客を殺害出来ない。現在の称号者、ヨシュアが対立する東側の特別顧客を殺害出来ないのも、同じ理由。


 ・特別顧客制度は、第一次産業革命より始まっている。最古の取引もこの時に結ばれたもの。


 ・特別顧客はその称号を剥奪することが可能。剥奪された特別顧客は今までもれなく粛正されてきた。特別顧客の殺害含め、称号者の独裁を防ぐためにこのような制度が取られている。


 ・基本的に死神と特別顧客はパートナー契約を結んでいる。だが、必ずしも契約しなければならない義務はない。過去にも何度か死神不在な時期がある。逆に特別顧客から死神を手放したパターンも。


 ・死神と人間のハーフが特別顧客を殺害出来るかは未知数。能力譲渡者には殺害が出来ない。能力を貸しているだけなので。


 ・死神と人間は直接的な接触が出来ない。ここで言う死神とは死神界に存在する者を指す。魔術師レベルであれば、能力一部譲渡を使用して触る事が出来る。人間の場合、死神の血が入っていたり能力譲渡者は例外。フツーに触る事が出来る。


 ・死神能力の一部譲渡者は力がかなり限定的。人よりも身体能力が高く戦闘に長けているのと、瞬間移動が出来る程度。傷の治癒も出来るが、器であるキングやジョージの治癒能力を手術と例えれば、一部譲渡者は絆創膏程度しか持っていない。当然、結界を張ることも出来ない。


 ・死神は不死ではない。寿命がある。唯一の不死は死神界の頂点アーキテクチャ、別名エンマのみ。魔術師はその能力上、寿命は短めだった。平均寿命は300年ほど。

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