第91話 両国の艦隊へ?
『グウゥルルグゥガガアアアアァァァァァァンンンッッッン!!!!!』(本当にやめなさい! 怒りますよ!)
僕らは全力で雄叫びをあげて、ソーヴォイツ連邦艦隊へ核ミサイルに対する抗議した。全力で遺憾の意を伝えた僕らは、悠然とモフモフ島へ泳いで戻る。
背後を見せながらゆっくりと離れていく僕らに対して、ソーヴォイツ連邦は攻撃をしてこなかった。
僕らは、ソーヴォイツ連邦からの攻撃を許せないと思ったが、艦隊を沈めるつもりは全くない。なんだかんだで、僕らが簡単に死ぬことはないだろう。逆に僕らが攻撃すれば、人間は簡単に死んでしまう。僕らは人間を虐殺したいわけではない。
僕らは悠然と泳ぎ続けて、ソーヴォイツ連邦艦隊とモフモフ島との中間地点ぐらいに到達した。
僕らは戦いにならないように格の違いをアピールしながら悠然と泳いできた。実際その姿は演技であって、内心はドキドキしていた。
---------------緊張したね。
《はい。ドキドキしましたね》
---------------言ったのは良いけど、何とも言えない空気になったね。
《そうですね。でも攻撃されなくなりましたよ》
---------------伝わったと思って良いのかな。
《きっと大丈夫ですよ》
---------------とりあえず今にも戦争を開始しそうな雰囲気ではなくなったよね。
《はい。大成功です。上手くいきましたね》
---------------よし、次はアルティア共和国にも言っておこうか。
《はい。そうしましょう》
アルティア共和国はメカパウンドを犠牲にして、僕らや自国の艦隊を守った。今のところ自衛しているだけで、アルティア共和国に悪いところはない気がする。
ただファイン少尉の口ぶりだと、正当性を得てからソーヴォイツ連邦と共闘して僕らを倒そうとしている気配もあった。
それに放っておくと、アルティア共和国は今にもソーヴォイツ連邦艦隊を叩き潰しそうな状況だ。自国を攻撃されたアルティア共和国としては、当然のことだろう。
ただ僕らとしては、これから戦争が始まりそうなこの状況を何とかしたい。僕らに全然関係なければ不用意に介入する気はないけれど、僕らがキッカケで戦争が始まってしまうとか、それは避けたい。何故なら僕らは平和なスローライフを目指している巨大生物なのだから。
僕らはアルティア共和国艦隊を目指して泳いでいく。アルティア共和国艦隊は、僕らを攻撃してくるわけでもなく、ただ様子を見守っている。
僕らは悠然と泳いで、アルティア共和国艦隊の目の前に到着した。ここで、渾身の雄叫びだ。
『グウゥルルグゥガガアアアアァァァァァァンンンッッッン!!!!!』(一旦やめましょうよ!)
アルティア共和国艦隊の動きが、完全に停止する。
アルティア共和国なら、この雄叫びが遺憾の意ということを知っているだろう。いつもと若干発音が違うけれども、だいたいのことは雰囲気で分かってくれると思っている。
両艦隊に対して『グルグガガアアン!』(やめなさい)を2連発。しかし、僕らのやりたいことはこれだけではない。
僕らは周囲をアルティア共和国艦隊に取り囲まれているモフモフ島へ再上陸した。
---------------ニノ、練習したアレいくよ。
《はい。やりましょう》
練習していた新技を繰り出す時がきた。先ほどまでとは違い、この雰囲気なら効果が見込める気がする。
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