第86話 久しぶりにモフモフ島へ?

 僕らはジャピア王国の南にある温泉付き別荘で湯治をしたあと、いつもの棲家に戻ってきた。長旅から戻ったあとの棲家は、やはり落ち着く。巨大生物でもその感覚は変わらない。


 ---------------やっぱりここは落ち着くね。


《はい。ホッとしますね》


 棲家について一息ついた僕らは、モフモフ島へ行こうかなと考えていた。久しぶりにモフモフにも会いたいし。


《モフモフに会いたいですね》


 ---------------やっぱりニノもモフモフに会いたいよね。


 ニノも癒しのモフモフに会いたいようだ。

 しかし、まだまだ僕らの身体はボロボロだ。湯治のお陰で痛みはないが、全身かなりの箇所が削れたままだ。早く再生して欲しい。


 ---------------身体が治ったら行くことにしようか。だけど深く削れてしまったところは、なかなか治らないね。


《そうですね。早く治るように、たくさん食べましょう》


 僕らは棲家から行き慣れた東の海溝に行き、地元の新鮮な巨大生物を食べて英気を養った。ジャピア王国産の巨大タラバガニも美味しいが、東の海溝にいる食べ慣れた巨大エビ、巨大ダコもやはり美味しい。


 ---------------久しぶりの大ダコ、美味しいね。


《大ダコは北の海にいませんでしたね。やっぱり柔らかくて美味しいです》


 僕らは、傷が完全に治ってからモフモフ島へ行こうと考えて、たくさん食べてたくさん寝ることにした。


 僕らは深海の棲家に引きこもって、完治を待った。怪我が完治したらモフモフ島へ行こうと思っていたのに、時間が経つにつれて知らない無人島へ上陸したことを凄く怒られそうな気がして、段々と不安になっていた。忘れてくれないかななどと気軽に思っていたが、一息ついて落ち着いたら、この上なく心配になってきた。


 ---------------いやあ、ずいぶん顔を出していないので、なんか行きにくくなってきたね。


《そうですね》


 ---------------いっそのこと怪我をアピールするつもりで、さっさと行けば良かったね。


《そうかもしれませんね》


 僕らは悪いことをして言い出せない子供のようにビクビクしていた。出来ることなら、知らない国の無人島に上陸して変な機械メカと戦闘になったことを、何とか誤魔化せないかなと思っていた。誤魔化せない場合は、どうしようかと考えていた。



 ◇



 それから僕らは食べては寝てを繰り返し、しっかりと休養をとって元気になった。結局、棲家に戻ってから何日経ったのか正確には分からないほど、かなりの日数が経過した。恐るべし4本脚の機械メカ


 ずいぶんと日数は経ってしまったが、怪我が治り体調が良くなると、気分も良くなる。


 ---------------怪我も完治したことだし、いよいよモフモフ島へ行こうか。


《はい。行きましょう》


 ---------------ずっと暗い海底にいたから不安になっちゃったけど、意外と行ってみたら何事もないかもね。


《そうですよ。きっと大丈夫です》


 怪我をしていたせいで弱気になっていたが、よくよく思えば別に悪いことをしていないので、堂々とモフモフ島へ行くことにした。


 久しぶりにモフモフ島へ向かう。モフモフ島へ向かう道のりも懐かしい。正確な日付は分からないけど、秋の終わり頃に棲家を出発して、今はもう春の陽気だ。

 春の日差しを浴びて、モフモフたちもフカフカになっていることだろう。


 ----------------モフモフたち元気かなあ?


《きっと元気いっぱいですよ。楽しみですね》


 僕らはモフモフと戯れることを楽しみにして、のんびりとモフモフ島へ向けて泳いでいった。


 途中にある小さな無人島の辺りになり、艦船が増えたような気がしてきた。


 --------------久しぶりだけど、船が多い気がするね。こんなだっけ?


《そうですね。前より多い気がしますね》


 前よりも船が増えたなと思いながら泳ぎ続けて、モフモフ島へ到着した。モフモフ島へ上陸するとメカパウンドが立っていた。なんだろう?

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